
子供たちがモラ夫との再会を怖がっているんだけど、絶対に面会交流をさせないとダメ?

今はそんなことはない。
面会交流が子供の福祉に反することを示す証拠を集めて。どういう証拠が有効か、教えてくれる本があるよ。
それと相手がモラハラ夫・DV夫の場合に、理論武装するための本も紹介するね。
内容をアップデートしました(新刊図書と入れ替え)。以下の記事も合わせてご確認ください。
裁判所の対応の変化
一昔前は裁判所は「面会交流至上主義」に依拠しているかのようでしたが、徐々に柔軟な対応がなされるようになってきました。子の利益・福祉に反するとして、面会交流が認められないケースも出ています。その様子を、書籍の記述から見ていきます。出版年順に並べました。引用部分の太字は、私が強調しています。
- 2007年『Q&Aモラル・ハラスメント』
裁判所は(略)、よほどの事情がない限りは、きちんと面接交渉をせよと命じてきました。ごく最近になって、「よほどひどいDVの場合には、面接交渉は実施すべきでない」という内容の決定も出るようにはなりましたが、これも目に見える暴力にほぼ限定されています。
- 2013年『「モラル・ハラスメント」のすべて――夫の支配から逃れるための実践ガイド』
妻が子どもを連れて別居した場合、夫から子どもに会いたいという調停の申し立てがなされる場合があります。裁判所は子どもの福祉のために原則として子どもの面会交流を認める方針をとっていますので、相手がモラ夫で妻が連絡を取り合うことに恐怖心を持っている場合、調停でどう対応するかは非常に難しい問題となります。
- 2016年『愛を言い訳にする人たち――DV加害男性700人の告白』
変わらない加害者は子どもに悪影響を与え続けます。しかし現実には、別居中や離婚後に、母親が拒否しても、DV加害者の父親が子どもと会うこと(面会交流の権利)が調停や裁判で容易に認められています。DVが与える子どもへの害と悪影響は社会的に軽んじられています。
- 2019年『キッチリけりがつく離婚術』
面会交流は非監護親の権利ですが、「子の利益をもっとも優先して考慮しなければならない」と定められており、面会交流を認めることが「子どもの福祉」にとって望ましくないと裁判官が判断した場合、審判では認められないこともあります。

うちは直接面会交流(会うこと)ではなく、間接面会交流(手紙等)に決まりました。
おすすめの3冊
子の福祉に反することを示す証拠を集めるための本
子の利益に反すると主張したところで裏付ける証拠がないと、裁判所に「監護親がもう一人の親に会わせたくないだけ」と判断されかねません。1冊目として、まずは調停で使える証拠について詳細に解説した離婚本『キッチリけりがつく離婚術』(レビュー)を挙げます。
子の福祉・利益に反するのは具体的にどのような場合か、この本から引用します(太字は私が強調)。
典型的なものとしては、非監護親による子どもの連れ去りのおそれ、非監護親による子どもへの虐待のおそれ、非監護親の監護親への暴力等、非監護親に酒乱、薬物使用などの問題行為・違法行為が存在する場合などです。
(略)
その他、監護親の監護教育方針に問題があるわけではないのに、その方針に介入をし続け、監護親による監護教育に支障が生じ、子どもの精神的安定を害するおそれが強いなどの場合にも、面会交流が否定されることがあるといえます。
実際に離婚調停や面会交流でどのような証拠が有効なのか、この本に詳細に書いてあります。ぜひご確認ください。
DV夫・モラハラ夫と子供との面会交流のリスクを明らかにする本
米国にて、主にDVに関わる司法関係者(裁判官、弁護士、親権評定の担当者など)に向けて書かれた本『DVにさらされる子どもたち――加害者としての親が家族機能に及ぼす影響』(レビュー)を2冊目に挙げます。
この本では、なぜDV夫が面会交流を求めるのか、その際にどういう手口を使うか、面会交流時にどのようなリスクがあるのかを明らかにしています。
この本に書いてあることが、そのまま調停委員や調査官への説明に使えます。実際にDV夫との間で面会交流が争点になっているなら、間違いなく役立ちます。ぜひご確認ください。
面会交流至上主義の調停委員に理解して頂くための本
全般的な潮流として、裁判所の面会交流の取り扱いは柔軟な方向に進んでいます。とはいえ「面会交流がすべての子供の利益になる」という価値観をお持ちの調停委員に当たることもあります。そんな調停委員の方には、「世の中には面会交流をしたくない子供もいる」ということ、さらに「我が子も、そのタイプだ」ということをご理解いただかねばなりません。
ここで挙げる本は、自分で読むためというより、離婚調停や離婚裁判の場に持っていって、説得材料として使うためのものです。子供向けの『だいじょうぶ!親の離婚――子どものためのガイドブック 』(レビュー)という本には、「もし親に会いたくならなかったらどうしよう?」という子供の疑問が取り上げられています。

私のことはさておき、子供自身がモラ夫に会いたくない――私の場合は、このことを調停委員には分かってもらえました。
ただ裁判官にはピンとこないようでした(直接訴える時間が短いから?)。この本を裁判所に持参して、我が子が「親に会いたくならなかったら」の部分をじっくり読んでいたことを伝えました。
よろしかったら、ご確認ください。
なお、以下の記事で、関連する内容を扱っています。よろしかったらご確認ください。
まとめ
子の利益・福祉に反するとして、面会交流が認められないケースも出ている
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