
スマホでモラ夫のモラモラ発言を録音しようとしているんだけど、激ムズ。
そもそも録音ボタンを押せないときも多いし、録音できても音声が聞き取れない……。

ICレコーダーのほうが、うまく録音できるよ。専用の機器には「餅は餅屋」的な良さがある。
スマホはいろんなことをだいたいイイ感じにできるけど。
ICレコーダーの必要性
DVやモラハラの証拠として、相手の音声を記録したいなら、まずは手持ちのスマホで試みるのがお手軽です(参考記事)。スマホの録音性能も上がってきています。
それで問題がなければいいのですが、早い段階で難点が見えてくるかもしれません。たとえば以下。
- 適切なタイミングで録音を開始できず、録音の機会を逃してしまう
- 自分がいない時間・場所で録音ができない(自分以外の家族への攻撃に関して)
- 相手から常に見えない場所に仕掛けにくい。録音中に、相手が画面を見たらバレる。たいていの録音アプリでは、ロック画面でも、録音中であることが分かるようになっている。電話やLINEなど他の用途で使うこともあるため、取り出す機会が多い
- 再生したときに音声を聞き取れない。音声が小さく、雑音が大きく聞こえる。スマホのマイクは、そもそもは電話通話用。スマホに近づけた口元から発せられる音声を拾うものなので、離れた距離でぶっ放されたモラハラ発言なんかの録音は苦手。古いスマホほどマイクの性能はビミョー
相手の了解の元、堂々と録音するようなケースであれば(例えばインタビュー時とか)イケそうでも、こっそり録音するという用途においては、スマホはなかなか使い勝手が悪い……。
これらのことは、専用のICレコーダー(ボイスレコーダー、ボイレコ)を利用することで解決可能。基本的には、モラハラやDVが行われる可能性が高い場所に、ボイレコを録音しっぱなしの状態で仕掛けておき、後で回収します。もちろん、万が一にも相手にバレないところに。
あるいは「今、録音したい」と思ったときに、ICレコーダーのほうが簡単な操作で録音開始できるでしょう。だいたいは、電源を入れて、録音ボタンを押したりスライドさせたり、という2ステップです。
またICレコーダーは音声の記録のためだけに使うわけではありません。取り溜めたモラハラ音声を再生して、内容を確認します。裁判所に提出する正式な証拠としては、文字起こし(文字で書き表す)が必須です。ICレコーダーには文字起こしの際に役立つ便利機能も搭載されています。
ICレコーダーの選び方
録音の性能、再生・文字起こしの性能、容量、パソコン接続、信頼性、その他の6点から機種を検討します。
録音の性能
モラハラやDVの証拠集めという用途であれば、お高いICレコーダーは不要。今のICレコーダーの集音性能や雑音除去(ノイズキャンセリング)機能は十分に進化しており、モラハラ音声の録音はフツーのICレコーダーで十分です。
たとえば、音楽のプロが使うように高品質で録音する必要はありません。再生時に、聞き慣れている人の声を聞き取れればよいだけです。
再生・文字起こしの性能
モラハラ・DV・虐待をはたらいている最中に、相手の聞き取りやすさを意識して話すヤツなんか、いないですよね。怒ってまくし立てている声や、ぼそぼそと嫌味を言っている声、あるいはもしかしたら責められているほうの泣き声などは、生の声であっても内容を聞き取りづらいものです。
再生時に発話を聞き取りやすくするために、以下のような機能が備わっているICレコーダーも色々と出ています。
- 再生速度調節……音声を再生するスピードを速くしたり遅くしたりする機能。不明瞭な部分をゆっくり再生することで、聞き取りやすくする
- リピート再生……同じ部分を繰り返し再生する機能
こうした機能は、一言一句文字起こしをする際に特に便利です。最近は、付属のAI機能を用いて、自動で文字起こしをやってくれるICレコーダーもあります。
ただし、文字起こしの機能や性能は、それほど重要ではないです。そもそも文字起こしが必要になる人は、少ないでしょう。また、会議の議事録のように、何時間分もの発言を文字にしなければならないわけでもありません。
誰か(どこか)に相談する目的であったら、音声を聞かせるだけで十分です。文字起こしが必要になるとすれば、裁判所を介した離婚時ですが、そうするカップルは少数派(1割強)。それに離婚調停時に、文字に起こした書面を要求されるケースはほぼないです。調停不成立で離婚裁判に進んだら、やっと証拠として必要になるかも。
文字起こしを行うAI機能についても、アナウンサーのような美しい喋り口には有効でも、モラハラ音声の文字起こしには使い物になりません。プライベートな空間でそんなハッキリとは発話しませんし、被せて発言したりしますし。人間が聞いても何を言っているか分からんものは、AIには無理です。
容量
モラハラの音声データをICレコーダー内に溜めていきます。データがいっぱいになったら、当然、録音はされません。データ容量が多いほうが安心です。
またメモリーカード(外部メモリ)を挿入することで、大量の録音データを録り溜めておける機種もあります。メモリーカードを差し替えることで、データ容量の制約から解放されます。
なおパソコンなどに音声データを移動し、パソコン上で管理する場合には、この項目は重要ではありません(ICレコーダー内のデータは削除していく)。
パソコン接続
たいていのICレコーダーには、パソコンに音声データを移動するためのインターフェイスが備わっています(USB等)。ただ、特に古めの機種だと未対応の場合も。パソコン上での利用を考えている場合は注意が必要です。
逆に、非常に安価な「ICレコーダー」「ボイスレコーダー」は、パソコンの使用が前提になっています。ボイレコは録音できるだけで再生機能がないためです。端的に言うと「録音機能がついたUSBメモリ」。
音声を再生したいときは、パソコンに接続して、パソコンの機能を用いて再生します。録音した音声データに関する情報を確認するための画面もボイレコ上にありません。
機能もパーツも限られているため、小型で安価です(そういうモノだと理解して、2台目・3台目として買うならアリかも)。
信頼性
一口に「ボイスレコーダー」「ICレコーダー」と言っても、その価格は数百円から数十万円まで! 安価な製品で大きく問題になるのは、ズバリ信頼性。故障しやすいかどうか、です。
故障して、新たに録音できなくなるだけなら、まだマシ。録り溜めた過去の音声データがすべて失われたら……。
パソコンなどを使わずに、ICレコーダー上で長期間(離婚成立まで、など)音声データを保管しておきたいなら、電子機器としての信頼性は欠かせません。
長期保存を念頭に置いているなら、内蔵の充電式バッテリーを使っている製品には注意が必要です。お手軽なんですが、充電式電池には寿命が短いという宿命があります。裁判になって久々にレコーダーに電源を入れようと思ったら入らない、なんてことが起きたら恐怖です(充電されていないまま放置すると、電池が劣化しやすい)。
その他
今回想定している使用場所は、自宅というホームグラウンド。浮気調査のために、こっそりと車の中やカバンの中に忍ばせるのではありません。極端に小型であったり、バレにくい外観であったり、電池が長持ちすることであったりは必須ではありません。
私は約2年に渡り、ICレコーダー3台、スマホ1台、ガラケー1台(しまい込んでいたものを出した)を用いて、モラ夫のモラモラ発言を録音してきました。メインで使っていたのはICレコーダー2台。安物のICレコーダーは音がうまく拾えない上に、何度も使わないうちに電源が入らなくなり、別メーカーのものに買い換えました。これで合計3台です。
色々と試した結果、ICレコーダーの性能もさることながら、うまい設置方法やコツがあると感じています。ご興味があったら、以下をご参照ください。
たとえ1回録音に失敗したとしても、録音のチャンスは何度も巡ってきます(イヤだけど)。正直、ボイレコの選定に時間をかけるより、なるべく早く録音を録り溜めるほうが、離婚を有利に進めるにしても、相談先に実態を理解してもらうにしても役に立ちます。
おすすめ製品6選
この記事は2021年5月に公開しました。
その後のボイレコ市場の変化に合わせ、以下の記事にて選定しなおしました。よろしければ最新の情報をご確認ください。
前段が長くなりましたが、ここから(やっと)具体的な機種をご紹介します。
本当は以下の松・竹・梅で3機種ずつ合計9機種のボイスレコーダー(ICレコーダー)を紹介したかったのですが……。
- 松……国内3大メーカーの製品をひとつずつ。便利機能を搭載 + 外部メモリ対応
- 竹……国内3大メーカーのエントリーモデル
- 梅……安くていいやつ
でも、「梅」で良いものが見つからなかった……。なので、これから6機種挙げていきます。
なお、製品の価格(私調べ)は「まとめ」の一覧表に掲載しています。ただし、店舗や時期によって異なるため、ご参考までに。
松3選:便利機能+外部メモリ
ボイスレコーダーの国内3大メーカーはオリンパス、ソニー、パナソニック。以下で挙げる製品はいずれも先に挙げた再生速度調節機能やリピート再生機能に対応しています。また、外部メモリカード用のスロットも搭載。データ容量を気にすることなく、録音できます。
ここで選んだものは、各メーカーのミドルレンジのもの。上位機種だと、明らかにオーバースペック。したがって価格も抑え気味です。
オリンパス
Voice-Trek V-872です。
この製品に備わっている「オートインデックス」機能は、再生や文字起こしを行うときにめちゃくちゃ便利! これは、無音状態が3分以上続く場合には、その区間を飛ばして再生する機能です。
ソニー
ICD-PX470Fです。同社のAV機器全般に対する高い評価のとおり、音質に定評があります。
この製品ではFMラジオも聴けます。
パナソニック
RR-XS370です。他2社の製品よりもお安いのが目を引きます。ちなみに、パナソニック社の公式サイト上で掲載されているICレコーダー5機種のうち、なんと4機種が製造終了(販売は在庫限り)。この機種も含まれます。事業から撤退することになったんですね。
もし私が今ICレコーダーを買うとしたら、コストパフォーマンス最高のコレにします。製造終了でも、支払額のほうが大事。私にとっては。しばらくはサポートも続くでしょうし。
竹3選:信頼性ばっちり
3大メーカーの製品から低価格帯のものを1つずつピックアップしました。
いずれも外部メモリは使用できません。その他「松」の機種にある機能の一部には非対応。詳しくは「まとめ」の一覧表のスペックをご確認ください。
オリンパス
Voice-Trek VN-541PCです。
ソニー
ICD-PX240です。
パナソニック
RR-QR220です。この製品も製造は終了しています。
梅:見つからなかった
3大メーカー以外でも、良い製品はあるのかもしれませんが、見つけられませんでした。ここでは、なぜ私がオススメ機種を挙げるのを断念したのか、理由を述べます。ご購入の前の判断材料のひとつにでもしていただければ幸いです。自分の経験も踏まえて、ひとことで言うと「安物買いの銭失い」になりそうだから。
- レビュー件数がバカ多い製品について。サクラで稼いだもの? 低評価のレビューを確認すると、録音性能の低さ(遠くの音を拾えない、ブツブツ切れる、等)や、製品の作りの粗雑さ(ケースに隙間がある、電源の調子が悪い、壊れた、等)、ユーザサポートの悪さ(不良品キャンセルが難しい、電話対応がいい加減、等)を指摘するものが目に付く
- ボイレコ本体の価格がバカ安い製品について。他にお金がかかる。前述の再生機能がないボイレコでは、パソコンが必要になる。内蔵メモリがなく、メモリカードに記録する機種の場合、メモリカードは別途購入する必要がある(付属しておいてほしい)。いずれも「壊れた」というレビューが多い
- それなりにちゃんとしていそうな製品について。3大メーカーの製品との価格差があんまりない
まとめ
商品 | スペック |
---|---|
松3選:便利機能+外部メモリ | |
オリンパス Voice-Trek V-872 ![]() ![]() 5,236円(参考) [Amazon | 内蔵メモリ 4GB 外部メモリ対応 再生速度調節 リピート再生 パソコン接続 |
ソニー ICD-PX470F ![]() ![]() 7,155円(参考) [Amazon | 内蔵メモリ 4GB 外部メモリ対応 再生速度調節 リピート再生 パソコン接続 |
パナソニック RR-XS370 ![]() ![]() 4,650円(参考) [Amazon | 内蔵メモリ 8GB 外部メモリ対応 再生速度調節 リピート再生 パソコン接続 ※ 製造終了 |
竹3選:信頼性ばっちり | |
オリンパス Voice-Trek VN-541PC ![]() ![]() 4,800円(参考) [Amazon | 内蔵メモリ 4GB 再生速度調節 リピート再生 パソコン接続 ※ 生産終了 |
ソニー ICD-PX240 ![]() ![]() 4,791円(参考) [Amazon | 内蔵メモリ 4GB 再生速度調節 パソコン接続 |
パナソニック RR-QR220 ![]() ![]() 3,800円(参考) [Amazon | 内蔵メモリ 2GB 再生速度調節 リピート再生 ※ 製造終了 |
※ 価格は記事執筆時点のものです。ご参考までに。ご購入時に実価格をお確かめください。
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