捜索願不受理届 Q&A

過去の私
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 警察に捜索願不受理届を提出しておかないと、モラ夫に居場所がバレちゃう?

今の私
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 モラ夫が警察署に出向いて捜索願を出す確率って高いかな?

 たとえモラハラ夫・DV夫が捜索願を提出したとしても、それで警察が積極的に妻や子供の居場所を探すわけじゃない。そんなに暇じゃない。

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Q&A

 「捜索願不受理届」に関する疑問に、一問一答形式で答えます。

 なお、私自身の体験談は以下の記事に掲載しています。子供を連れて、モラハラ夫から逃れました。

手続きについて

Question

どこで手続きをする?

 地元の警察署の生活安全課で手続きを行います。

Question

手続きはどのように?

 警察署にて、生活安全課の刑事と面談を行います

 なお、事前に警察署に電話で問い合わせて、日時や持ち物を確認してください。たしか私は身分証明書くらいは持っていったような?

 そして「記録のため」ということで、合計3枚の写真(以下)の撮影があります。

  • 顔(もちろんマスクを外します)
  • 全身
  • 自分の電話番号を表示したスマホ画面
Question

手続きをすれば、誰でも受理される?

 そんな簡単なものではありません。DVの被害を受けている、ストーカーにつきまとわれているなど、正当な理由があることの確認がなされます。「でっちあげDV」だと難しいでしょう(過去には、警察がでっちあげDVの片棒を担ぐ形になったケースもあったかもしれませんが)。

 家庭内の問題を証明するのは難しいので、警察その他の公的機関で相談実績を積んだり、証拠音声を確保したりすることをご検討ください。

Question

身体的暴力が無くても、モラハラだけでも認められる?

 私はモラハラで認められました。生活安全課の刑事たちは「モラハラ」という用語をとっくにご存じでした。

 思うに、警察署 生活安全課を含め、DVの被害者を支援する組織には、すでに「モラハラ」という用語は浸透しています。「モラハラって何?」という時代が、過去にあったのは確かです。しかし先人たちのおかげで、市民権を得ました。

捜索願について

Question

妻が家を出た後に、DV夫が警察に捜索願を提出するケースは多い?

 私が関わった刑事・弁護士などによると、一般にはそんなに多くはなさそうです。また、以下のような状況下では、DV夫・モラハラ夫が捜索願を出すことに思い至らない、とのこと。

  • 事件・事故に巻き込まれたと夫が勘違いしないように、妻が自分の意思で家を出たことを置き手紙などで伝える
  • 別居当日にモラハラ夫・DV夫が問い合わせる先が用意されている。たとえば置き手紙に代理人弁護士の連絡先が書かれている、など
Question

モラ夫が妻や子供の捜索願を出したら、警察は総力を挙げて妻子を追跡する? 不受理届がなければ。

 そんなわけありません。警察が持つ行方不明者のデータベースに、新たな1人として追加されるだけです。

 警察が捜索を行うのは、事件や事故に巻き込まれたことが疑われるケースや、未成年の家出のケースにおいてのみです(子連れ別居する場合や、成人前に毒親から逃れる場合は、要注意)。

 この「捜索願」という名前が誤解を生むので、現在は名称が変わっています。「行方不明者届」というのが正式名称です

Question

モラハラ夫(捜索願を出した人)に、妻子(行方不明者)の居場所の連絡がなされるのはどういうとき?

 警察が積極的に居場所を捜索しなくとも、行方不明者に行き当たったときに連絡する可能性があります。たとえば、行方不明者が運転免許を更新する、職務質問を受ける、交通事故に巻き込まれる、などした上で、警察が行方不明者のデータベースに照会した場合です。

 ただし「行方不明者本人に知らせずに、捜索願を出した人に連絡がいくわけでない」という説明を私は警察署で受けました。

その他

Question

「捜索願不受理届」で検索をしても、どうも警察の公式情報に辿りつけない。なんで?

 でしょうね。最後にちゃぶ台返しのようですが、正式な制度・手続き・書類として「捜索願不受理届」なるものが存在するわけではありません。

 刑事は手続きの最後に「では、捜索願を受理しないことにしますね!」なんて言いません。「実質的に、警察があなたの居場所をDV野郎に教えることはしませんよ」という説明がなされます。

私が思うに

 私が思うに、「捜索願不受理届」は警察が捜索願を受理しないようにするためのものではなく、被害者から警察に「うちはDV家庭・モラ家庭だから逃げます」ということを伝えて、その相談の記録を残すためのものです。

 もしDV夫が妻を探しに警察を訪れても、警察は積極的には捜索願を案内しないでしょう。実際に、妻子に家出された知り合いの男性のために警察署へ同行した、別の男性の話を聞いたことがあります。警察では「奥さんは悩んでいたみたいですよ」のような話をされて、捜索願の「そ」の字も出ないまま、家路についたそうです。

 たとえDV夫が捜索願を出すことを望んでも、妻が相談した記録があれば、警察が諦めさせる方向へ誘導することは期待できるでしょう。万が一、受理しても、妻の相談の記録はDV夫へ連絡が行く手前の安全弁になります。

 「捜索願不受理届」という言葉は、私の推測では、警察発ではなく、おそらく支援者・弁護士などから自然発生したものではないかと。当初は「DV夫に捜索願を出されたらのちのち困るから、警察署にDVで逃げることを伝えておこう」とか、長々と説明的に言っていたと思います。それを、まるっとまとめた「捜索願不受理届」という便利な言葉が登場して、今や広く認知されるに至ったのではないかと。


 もう1点。「捜索願不受理届」の提出とは、警察にとってみればDV相談・虐待相談でしょう。いろいろと聞かれますよ。時間もかかる。また必要があれば、警察から他の機関への連携もセットで行われます。それで救われる人・子供もたくさんいるのでしょうが、私は困った事態になりました。書類を1枚書くだけのつもりで行ったのに、ぜんぜん違う! よろしかったら、詳細は体験談を参照してください。

 最後まで読んでくださいましてありがとうございました。

 モラ夫・DV夫との別居・離婚が視野に入っているようでしたら、ぜひ以下の関連記事もご確認ください

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プロフィール

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 ある日、私は2人の子供を連れて、モラ夫から逃げて別居しました。私自身と子供を守るためです。

 私は年間100冊程度の本を読んでいます。好きなジャンルはファンタジーですが、多読しているのは実用書です。

 このサイトを訪れた方が、少しでも生活を改善したり、気持ちを前向きにしたりする情報を得られたら幸いです。

望木 幸恵

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