
子供たちが父親(=私にとってのモラ夫)に会うのを嫌がっているんだよね。それどころか再会を恐れている。同居中のモラ夫自身の言動のせいなんだけど。
でもモラ夫曰く「母親(私)が面会交流を妨害している」「片親疎外だ」って。
裁判官には「(子供の気持ちが面会交流に前向きになるよう)お母さんが積極的に配慮を」って言われた。

ヤバい相手と関わるのは避けたいのが普通だよね。どうして、ヤバいヤツが「父親」だったら、傷つけられるのを承知で会わなきゃならん!
モラハラ・DV・虐待を行うタイプの父親と子供の面会交流を阻止するために、離婚調停で役立つ本を3作紹介するね。
はじめに
この記事は、昨年公開した、同様の趣旨の記事のアップデート版です。選定対象の本を新刊本に入れ替えました。
昨年の記事(以下)では、面会交流についての裁判所の対応の変化について取り上げています。よろしかったら、併せてご確認ください。
片親疎外?
「片親疎外」という言葉をご存じでしょうか? 私は離婚調停の場でモラ夫から聞いて(調停委員の伝言)初めて知りました。両親の別居後に、子供を監護しているほうの親が、子供に非監護親を敬遠するように仕向けることだそうです。子供に非監護親の悪口を吹き込むとか、子供をマインドコントロールして。「子供は非監護親に会いたいものだ」「面会交流は子の利益」ということが、暗黙の前提としてあります。
「片親疎外」を主張するケースには、本当に当てはまる場合と、DV・虐待の加害者が訴える場合の2パターンがあります。私は「片親疎外なんてこの世に存在しない!」などと言うつもりは毛頭ありません。しかし、離婚調停において、あまりにも後者のケースが無視されているのではないでしょうか。
モラハラ夫・DV夫の団体が、男性なりの経済力にモノを言わせて、「自分が子供に会えないのは片親疎外のせいキャンペーン」を強力に展開しているんじゃないかと思うほど。
そして、そういう主張を後押しする、アンフェアな研究もあったんですね。『DVにさらされる子どもたち――加害者としての親が家族機能に及ぼす影響』(レビュー)という本から引用します(太字は私が強調)。
「片方の親への嫌悪感情の植えつけ」
ジョンストンとローズビーは、一方の親と疎遠になる子どもについて1章を費やして論じているが、議論はもっぱら親権をもつ親がその原因をつくっていることや、子どもの内的な忠誠心の葛藤が一因であることに集中しており、暴力や子どもへの虐待が子どもの気持ちを加害者である親から遠ざける原因になることは見過ごされている。
モラ夫が自分に都合のよい研究や考えを探し出して調停で主張するなら、こちらも理論武装せねば、と思い、私はこの本を読みました。
ちなみに、ネット上で数々の片親疎外エピソードを読みましたが(私は本以外にも色々と読むのが好き)、モノホンだと感じたのは、以下が当てはまるケース。
- 子供との本当の絆を感じる、具体的なエピソードが語られている。「赤ちゃんの夜泣き対応をした」だけだと、ちょっぴり手伝っただけかも? 「夜泣きしたときは〇〇すると、高い確率で寝てくれた」のような具体性・継続性があるとよい。子供のほうから非監護親に親愛の情を示したり、監護親の理不尽なあれこれを子供が非監護親に打ち明けるエピソードには、心を揺さぶられる
- 別居前後の監護親の問題行動が、具体的に挙げられている。これが語られていると、相手は片親疎外をしてもおかしくないヤツ、と感じられる。「〇ヶ月も子供と会っていない。これぞ片親疎外。子供への虐待 & 自分への精神的なDVだ」と問題視する主張はよく見かける。これだけだと、その家庭において「不当な片親疎外」なのか「DV・モラハラからの正当な逃避」なのかを判断できない
- 片親疎外されたエピソードが具体的。監護親が子供に面会交流の予定を伝えていなかったことが後で分かった、など。
- 監護親側の言い分や状況を知った上で、理解してくれる人が登場する。たとえば、家族ぐるみの付き合いがあった第三者が応援している、裁判所で面会交流が正式に認められている、など。身内・仲間が味方しているのはノーカウント
本当の片親疎外の体験談(実際には確かめようがないですが、私が本当だと思ったもの)を読むと、子連れ別居した私でさえ、理不尽さに腹が立ちます。


ただ、そういう方よりも、自分が子供に会えないことを正当化するために「片親疎外」って言っている人のほうが、多いんじゃないの!?
(私調べ)
なお、以下の記事で、子供自身の「父親に会いたくない」という気持ちを取り上げている本を紹介しています。まだ自分の気持ちを言葉でうまく表現できない、幼い子供の事例も載せています。ぜひご確認ください。
おすすめの3冊
法律面、心理面、法廷戦術面で役に立つ本を1作ずつ挙げます。この順番のとおりに、本の情報が役立つ時期がやってきます。
法律面
まずは離婚調停・離婚裁判で使える証拠について詳細に解説した離婚本『キッチリけりがつく離婚術』(レビュー)を挙げます。
「ヤツはずっと前から、子供にモラモラしていた」ことを証明するには、古い記録が必要になります。離婚を決断していなくても、頭をよぎることがあるのなら、念のため今から証拠集めを。後々、コトを有利に運べます。
ぜひこの本から、証拠集めに役立つ情報を得てください。
心理面
続いて昨年(2020年)12月に刊行された新刊本『良心をもたない人たちへの対処法』(レビュー)を挙げます。これは、大人気の『良心をもたない人たち』(2006年発行、レビュー)の続編です。
1章を割いて、離婚調停・離婚裁判でモラハラ夫・DV夫と対峙するときの対処法を説いています。心の持ちようも解説。
前著と併せてご紹介します。離婚調停が始まる前に、ぜひご一読ください。
戦術面
3冊目は、前掲の『DVにさらされる子どもたち――加害者としての親が家族機能に及ぼす影響』(レビュー)です。この本の対象読者には、離婚調停に関わる専門家(調停委員、調査官、裁判官)が含まれます。DV夫の手口や戦略を解説し、騙されないように促しています。
DV夫やモラハラ夫が言いそうな理不尽な主張は、おおよそ網羅しています。この本に書いてあることが、そのまま調停委員や調査官への説明に使えました。
実際にDV夫と面会交流で争っている方におすすめいたします。
まとめ
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