モラハラされている友達を助けたい ⇒ 元被害者の私が友人に感謝していること

読者 Bさん
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 友達がモラハラ夫の被害にあっているようです。助けてあげたいけれど、どうしたらいいでしょうか。

今の私
今の私

 モラ夫持ちだった私が、友達にしてもらって嬉しかったことや、感謝していることを挙げます。

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はじめに

 一時期、私は夫からのモラハラ攻撃で疲弊していました。悪化の一途をたどるモラハラと連動して、否定的・悲観的な感情は増すだけ増しました。結局、家出同然で別居するに至りましたが、その直前の精神面・生活面は人生最悪レベルに。

 ありがたいことに、そんなときに助けてくれた人が周りにいました。一番身近にいたのが、近所のママ友です。「遠い親戚より近くの他人」ということわざが真実であることを、私は身をもって知っています。

 この記事では、私自身が友人にしてもらって嬉しかったこと、ありがたいと感じたこと、実際に助かったことを書いていきます。他の方も同じように思うかは分かりません。ただ一般性を考えて、読書という趣味を通じて見つけた、書籍の中の記述を一部引用します

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友人に感謝していること

気にかけてくれた

 この記事をお読みくださっている方は、ご友人を助けたいと思われているのでしょうか。そして、時間を使って情報収集されているのですか? 私があなたの友人だったら、まずはそうした気遣いに感謝します。

 私の経験からすると、友人が気にかけてくれていることは、その言動の中で自然と感じることができました。

折々の連絡

 折に触れて連絡がありました。ただ、モラハラのことを話題にするのではなく、子供の行事関連のこととか、友人の実家から野菜が届いたとか、一般的な話題がネタになっていました。

単に話を聞いてくれた。質問・アドバイスはなしで

 ただ単に話を聞いて、共感を示し、肯定してくれました。私が「子連れ別居する」って言ったときも、やっぱり取り消したときも、「それがいいね」と。その後になって、別居を再決断したときも同じでした。

 私の話の中で、疑問に思うこともあったかもしれません。しかし心がざわつく質問を尋ねられた経験はなし。家庭内のモラハラって、そもそもがプライベート & ネガティブな内容なので、人に明かすのに抵抗がある話題なんですよ。ちょっとした質問でも「根掘り葉掘り聞かれている」ように感じたかも。

 しかし、友人の意見を知りたいときもありました。モラハラ夫の価値観に汚染されて、自分の考えに自信が持てなかった。そんなときに「どう思う?」って聞くと答えてくれたのは、嬉しかったです。

 なお反対に、距離を置いた人もいます(波風を立てないように気は使った)。彼女は表面的には「助けるよ」アピールがすごかったです。しかし気になる発言がちらほら。カチンときたセリフのトップ3は以下。私の心の声も書き添えました。

  • 「どうなった?」 ← なぜ報告しなくちゃならん。興味本位? 
  • 「(夫の暴言を)録音するしかない」← もうやっている。私のほうがモラハラ関連の知識は上なのに、何をアドバイスできるつもり?
  • 「逃げたほうがいい」← プライベートなことに口だけ出すな。手も金も情報も出せないくせに

 後から分かったのですが、どうやら宗教(アヤしいヤツ)の布教活動でお忙しい方のようでした。彼女に頼っていたら、勧誘されていたかも?

 さて、ここからは本の記述を引用します。

 以下は『鴻上尚史のほがらか人生相談』(レビュー)からの抜粋です。「(毒親に悩む)A子のためにと言ってきたことが恨まれていた」と、20代の女性が質問を寄せています。それに対する鴻上さんからの回答の一部です。

 僕は、今、たまたま人生相談のアドバイスをしていますが、日常からこんなことをしているのではありません。
 (略)相手の顔色があんまり悪かったら、「どうしたの?」とは聞きますが、相手が何も語りたくないようなら、そこでやめます。それ以上は踏み込みません。たとえ、どんなに親しい友人でも、です。
 そして、「相談があるんだけど」と言われた場合だけ、相談に乗ります。相手が話す気持ちになってないのに、「話してみて」「相談に乗るよ」「何でも言って」と言うのは、相手を苦しめることになると思っているのです。

 そのとおり! もっと軽い話題であっても、「共感」してほしいときに「解決策」を提示されるとムカつくのと同じ。こちらにアドバイスに耳を傾ける準備がないのに、上から目線で言われても…。

 「不幸な人は、自分を不幸な人だと思われることが嫌で、一緒に解決策を考えて欲しいなんて求めてない」なんて場合もありますからね。

「かわいそう。何かしてあげたい」と思うことは、とても気をつけないと相手を無意識に見下すことになるのです。

 これもそう! かわいそうな人だと思われたくない。

私や子供を誘い出してくれた

 モラ夫の監視・締め付けが厳しく、私と子供たちの自由が徐々に奪われていく生活を送っていました。まずは、モラ夫抜きで母子で外出したり、子供一人で遊びに出ることが難しくなり……。当初はモラ夫同伴だったり、毎年恒例の行事だったりすれば出かけることもできました。しかし最終的には「時間がない」とのことで、通勤・通学・買い物などを除いて全員外出禁止状態に。実家に子供を連れて行くことなんて当然できません。

 別居前に息抜きに出られる場所は、数人のママ友の家しかありませんでした。ママ友は、子供だけ・母子だけだとモラ夫が難色を示すこと、ドタキャンもあり得ることを知りつつ、我が一家全員を招待。ママ友宅ではパパ友がモラ夫の相手をしてくれて、モラ夫の束縛が緩みました。

 (一方で、荒れ放題の我が家には人を家に招くことができなくなっていたのですが……。モラ夫の私物やモラ夫が壊した家具なんかが家中に放置されていました。以前は私が対処していましたが、私の片付け・掃除の意欲はすっかり消え失せた!)

 別居のような究極の選択をしないまでも、モラハラの加害者からはできるだけ離れるように――いろいろなモラハラ本やDV本でこのように説かれています。一例として『カウンセラーが語るモラルハラスメント』(レビュー)から一節を引用します。

 離れていることが不可能な場合は、必ず自分のためだけの時間を持つようにしてください。
 相手が攻撃してきたら、一時的にでも、相手から離れます。財布を持って、コンビニに行ってもいい、用事を作って、外に出かけるのもいいでしょう。お気に入りのカフェを見つけるなど、自分だけの空間を作っておいて、そこに避難し、相手から離れてください。

 もちろん友人はこんなことは知らないはずですが、結果的に専門家のアドバイスに沿ったことをしてくれました。

生活面で助けてくれた

 私は精神面だけでなく生活面もボロボロでした。友人はまったく「助けてやっている」感は出していませんでしたが、私は本当に助かっていたんですよ。

  • ママ友から「(子供の持ち物の)○○をどこで買った?」と連絡がきた → 準備しなくちゃいけないことを思いだした
  • ママ友宅に訪問した後に料理のお持ち帰りがあった → 翌日の我が家のご飯に。料理とか面倒だった
  • 明らかに私がしおれているときや大変なときに「できることがあったら言ってね」との申し出があった → ちょっとしたことを頼みやすかった。押しつけがましさもまったく感じなかった
  • 別居当日にママ友宅(留守)の玄関先を使わせてくれた → モラ夫と鉢合わせる可能性が捨てきれず、パッキングせずに持ち出した荷物があった。心臓もバクバク。ママ友宅の玄関先で手荷物と精神を整えられた

 文章にまとめてみて、今になってやっと気づきました。なんと自分勝手な! なんと厚かましい! これを口に出して友人にお願いしたことなんてありません。当時いろいろと察して助けてくれた友人に、改めて感謝します。

 なお友人に相談した体験談を掲載しているので、よろしかったら以下の記事もご確認ください

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本を読むなら

 半・書評サイトを運営している関係で、モラハラの被害にあっている知り合いがいる方におすすめの3冊を挙げます。


 まず1冊目は『鴻上尚史のほがらか人生相談――息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』(レビュー)です。先に引用した通り、困っている人と相対するときの心構えが載っています。ちなみに取り上げたのは24番目の相談です。ぜひ、フル回答をご確認ください


 続いて2冊目の本のタイトルは『カウンセラーが語るモラルハラスメント――人生を自分の手に取りもどすためにできること』(レビュー)です。

 この本の想定読者は、第一にモラハラ被害者本人です。しかしながら、友人や親、専門家(カウンセラー等)といった周囲の人向けのメッセージも記載されています。

 それに、私のモラハラ本のバイブルでもあります。一番分かりやすかったし、書かれていることに納得感がありました。

 ただし私個人としては、友達を助けるために必ずしもモラハラの知識が必要だとは思いません。それでも気にして下さるなら、是非ご一読ください

 

 最後の3冊目は『夫が怖くてたまらない』(レビュー)です。この本は、親友にDV被害を打ち明けられた作家が、それを機に日米で取材・調査を重ねて出版したものです。

 本の中に「DV被害者の友人・知人」という立場の方が、多数、登場します。

 たとえばDVの真実を写真で伝えるフォト・ジャーナリスト(米国、女性)。ご本人は暴力のない家庭で育ちましたが、あるカップル間の暴力を目撃したことが、その後の啓発活動につながります。殴った瞬間や、加害者が警察に連行される瞬間、シェルター・病院・葬儀場でのDVを語る場面を写真に収め、写真集として出版します。

 こんなふうにバイタリティをもって社会に訴える活動ができる人なんて、ほとんどいません。この本では目の前の友人・知人に手を差し伸べた人も取り上げています。「君子危うきに近寄らず」という態度の方も、もちろん登場。なお断罪したり、善悪を論じたりはしていません。

 この本では、DV・モラハラに関する幅広いトピックを、プロの作家が分かりやすくまとめています。読みやすさの点でもおすすめします

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まとめ

まとめ
  • モラハラ夫に窮していた私が、友人にしてもらって感謝していること
    • 気にかけてくれた
    • 折々に連絡をくれた
    • 質問・アドバイスを挟まずに話を聞いてくれた
    • 私や子供を誘い出してくれた
    • 生活面で助けてくれた
この記事で取り上げた書籍

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プロフィール

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 ある日、私は2人の子供を連れて、モラ夫から逃げて別居しました。私自身と子供を守るためです。

 私は年間100冊程度の本を読んでいます。好きなジャンルはファンタジーですが、多読しているのは実用書です。

 このサイトを訪れた方が、少しでも生活を改善したり、気持ちを前向きにしたりする情報を得られたら幸いです。

望木 幸恵

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