本『DVにさらされる子どもたち――加害者としての親が家族機能に及ぼす影響』のレビュー

おすすめポイント

★★★★★

離婚調停で親権や面会交流について揉めそうな方や、既に揉めている方におすすめ。
理論武装できる!

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レビュー

 この本は、主にDVに関わる司法関係者(裁判官、弁護士、親権評定の担当者など)に向けて、米国にて書かれました。別居前にDV家庭で子供たちが受けた影響や、別居後に面会交流などで受けるであろう影響を見極めて、親権や面会交流、養育費を巡る争いに、適切に対処するための指針を提示することを目的としています。

 目次は以下のとおり。

  • はじめに
  • 第1章 ドメスティック・バイオレンスの加害者とは?
  • 第2章 「力」を行使する親:加害者の子どもへのかかわり方
  • 第3章 衝撃波:加害者が家庭に及ぼす影響
  • 第4章 近親姦を犯すDV加害者
  • 第5章 回復を阻害するもの:親権および面接交渉権の訴訟における加害者
  • 第6章 親としての加害者についての誤解:広く普及しているアセスメント理論への批判
  • 第7章 回復への支援:加害者が子どもに与えるリスクの評価と面会プランの設定
  • 第8章 変化は本物か?:加害者の親としての変化を評価し促進する
  • 第9章 加害者の親としてのあり方について 専門家の対応を改善する
  • 日本語版あとがき
  • 文献

 第5~7章の多くの議論が、日本の離婚調停の場でも当てはまります。

 また前段はDV加害者(男性)についての解説です。DVを行う心理やメカニズムが詳細に語られています。特に子供に関しての情報が充実。

 この本は、DV加害者のカウンセリング専門家・親権評定者・児童虐待調査官などの顔を持つランディ・バンクロフト氏と、加害者カウンセリングにも携わるハーバード大学助教授ジェイ・G・シルバーマン氏の共著です。多数の文献に加えて、膨大な臨床経験に基づいています。


 三船美佳さんは高橋ジョージさんとの離婚調停にて、『カウンセラーが語るモラルハラスメント』(レビュー)と『「モラル・ハラスメント」のすべて』(レビュー)の2冊を裁判所に提出しました。私は、親権や面会交流について調停委員の理解が得られなかったら、この本を差し入れようと思っていました(実際にはその必要はなかった)。

 離婚調停でモラハラ夫・DV夫が主張しそうなことは、おおよそこの本に書いてあります。たとえば、「親権や頻繁な面会を求める加害者の動機」「親権および面接交渉の訴訟における加害者の手口」というセクションには、うちのモラハラ夫(元)のことが書かれていました。

 それに対し、この本では子供を守る観点から、リスクを明らかにして、適切な関わり方を提案しています。

 当事者として、離婚調停などで親権や面会交流について揉めそうな方や、既に揉めている方にこの本をおすすめいたします。理論武装できます。

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まとめ

要約

DVに関連した離婚調停や支援活動について、司法関係者や支援関係者に対して、子供にとって適切に対処するための指針を提示。DV加害者や、DV家庭の子供についての解説も充実。

評価(お役立ち度)

★★★★★ (DV・離婚の当事者に役立つ)

基本情報
  • タイトル:DVにさらされる子どもたち――加害者としての親が家族機能に及ぼす影響  [Amazon] [レビュー]
  • 著者:ランディ・バンクロフト、ジェイ・G・シルバーマン
  • 訳者:幾島 幸子
  • 出版社:金剛出版
  • 発行日:2017年
この記事で取り上げたその他の書籍
  • カウンセラーが語るモラルハラスメント――人生を自分の手に取りもどすためにできること  [Amazon] [楽天] [レビュー]
  • 「モラル・ハラスメント」のすべて――夫の支配から逃れるための実践ガイド  [Amazon] [楽天] [レビュー]

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プロフィール

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 ある日、私は2人の子供を連れて、モラ夫から逃げて別居しました。私自身と子供を守るためです。

 私は年間100冊程度の本を読んでいます。好きなジャンルはファンタジーですが、多読しているのは実用書です。

 このサイトを訪れた方が、少しでも生活を改善したり、気持ちを前向きにしたりする情報を得られたら幸いです。

望木 幸恵

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