
モラハラ夫との離婚調停で、子供の親権でモメにモメているんだけど、どういう戦略で臨むのがいい?
ヤツはまともな親じゃない。純粋な動機で親権を求めているんじゃない。
私には透けて見えるヤツのヤバさを、調停でどう伝えればいい?

(離婚済み)
調停の場での対応の指針が載った、ドンピシャの本が1冊あるよ。他2冊とあわせて、役に立つ本を紹介するね。
本の選定基準
普通の夫(?)ではなく一般的な理屈が通じないモラハラ夫やDV夫と、子供の親権を争うケースを想定して、役立つ本を選びました。
1冊目はDV離婚・モラハラ離婚の当事者が、裁判所で取るべき指針を明確に提示する本です。
2冊目は離婚調停に関わる調停委員・調査官・裁判官などに向けた書籍です。DV加害者が弄するウソや言い分に騙されないための解説が載っています。離婚の当事者としては、ばっちり理論武装できます。
最後の3冊目は有効な証拠について扱った本です。1、2冊目は訳書ですが、これは日本の弁護士たちが著しました。日本での離婚調停・裁判で使える証拠が分かります。
おすすめの3冊
DV夫・モラ夫との戦い方を示す本
最初に『良心をもたない人たちへの対処法』(レビュー)を挙げます。この本では「法廷のソシオパス」という章を設けて、親権争いや面会交流の条件争いでの対策を提示しています。なお「ソシオパス」とは「良心をもたない人」「サイコパス」といった意味です。
この本から重要な一文を引用します。
わたしができるいちばん有効なアドバイスとは、「相手がソシオパスだと立証するのは控える」という点だ。相手の正体を明かしたい気持ちはよくわかるが、法定でそんなことをしてもまったく役には立たない。

私はこの間違いを犯していました。言い訳すると、この本が発行されたのは、私の離婚成立後の2020年12月のことで、上の知見を知らなかったんです。
離婚調停で、我が夫がどんなにヤバいヤツかを、それはそれは熱心に訴えていた!
では、どうしたら?
積極的に進めてほしいのは、目撃したり、聞いたりした、相手の虐待や凶暴な言動や事件の記録を集める作業だ。
私と同じ過ちを避けて離婚調停に臨みたい方は、ぜひこの本で詳細をご確認ください。
なお、この本には『良心をもたない人たち』(レビュー)という正編があります。こちらを先に読んだ方が理解しやすいでしょう。併せてご案内します。
調停委員・裁判官向けの、DV夫に騙されないための解説書
DVに関わる司法関係者(裁判官、弁護士など)や支援関係者(カウンセラーなど)に向けて書かれた本『DVにさらされる子どもたち――加害者としての親が家族機能に及ぼす影響』(レビュー)を2冊目に挙げます。全編を通じてDVを軸に話が展開。「第5章 回復を阻害するもの:親権および面接交渉権の訴訟における加害者」で親権争いについて特に詳しく取り上げています。
一例を挙げると「親権や頻繁な面会を求める加害者の動機」を列挙して、それぞれ詳述。以下はその動機の一部です。
- 被害女性に対する歪んだ認知
- 歪んだ自己認識
- 相手を支配するため
- 報復するため
- 汚名を晴らすため
- 経済的または法的な譲歩をさせるため
モラハラ夫・DV夫の理不尽な言い分に反論できるネタが、この本の中にはゴロゴロと転がっています。ありとあらゆるパターンと言ってもいいんじゃないかと思うほど、広範かつ詳細です。
私は実際に自分の離婚に際して、この本を何度も何度もめくって情報を活用してきました。手強いモラハラ夫・DV夫と対峙する方におすすめいたします。
有効な証拠について重点的に論じた離婚本
調停でイイコト言っても、証拠が無ければ良くて相手との水掛け論、悪ければ相手の攻撃材料となって終わります。
最後の3冊目として『キッチリけりがつく離婚術』(レビュー)を挙げます。世の中に離婚本はた~くさんありますが、この本は離婚調停・離婚裁判で使える証拠に重点を置いています。信頼の、弁護士による著書です。
私自身、別居して離婚調停を申し立てることを決めたときから、この本のお世話になりました。証拠を集めるなら、早いほうが有利です。ぜひお手元においてください。
雑記
上でピックアップした『DVにさらされる子どもたち――加害者としての親が家族機能に及ぼす影響』には、以下の記述があります。
加害者は暴力をふるわない父親に比べて、親権(とくに息子の親権)を要求する傾向が強く、要求どおり親権を獲得する比率はどちらもほぼ同じである。
離婚体験ブログ ウォッチャーの私にとって、これは意外ではなく「さもありなん」と受け止めました。まともに育児に関与してこなかったモラハラ夫が、いざ離婚となると子供の親権を要求する――こういう話は珍しくありません。
でも我が身に降りかかったときは「まさか!」と思いました。子供の食事の好き嫌いも知らないヤツが、よもや「養育できる」「親権・監護権ほしい」と言うとは思わなかった……。
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