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災害対策が、日常的に自然とできているようになる本
先週(2022年1月15日 土曜日)トンガで発生した、海底火山の大規模な噴火に際し、影響を受けた方々にお見舞い申し上げます。飲用水不足が懸念されるというニュースに心を痛めています。お役に立てるか分かりませんが、今回取り上げた『日常防災』に海水を真水にする方法が載っていたので後述します。
レビュー
本のあらすじ・位置づけ
この本は冒頭で「日常防災3カ条」と称して、ここで扱う対策のベースとなる方針を次のように掲げています。
- いつでも安全な環境をつくる
- 自分の生活に合わせて考える
- 楽しみながら防災を取り入れる
続いて、以下の章立てで災害への備えについて具体的に述べています。
- 第1章 想像する
- 第2章 備える
- 第3章 知る
- 第4章 知識を深める
- 第5章 身につける
- 第6章 やってみる
読者の行動・動作を表す動詞が並んでいるところが珍しい。本の題名にある「“今”からできる!」というフレーズと併せて、読者の行動に結び付けようという著作者の意図をすっごく感じます。
この本の特徴的なところをもうひとつ挙げると、被災時のサバイバル術が多めに掲載されている点。監修者(の一員)に「ボーイスカウト日本連盟」の名があり、合点がいきました。
サバイバル術として、例えば「海水を真水に変える方法」を掲載(146ページ)。海洋国トンガの方々のために引用します(本では図解)。
大鍋に1/3ほど海水を入れ、重しとなる石を入れた耐熱コップを中央に置く。大鍋のフチにはタオルを巻く。
大鍋の上に海水を入れた中華鍋をのせる。
火にかける。大鍋の中の海水から上がった水蒸気が中華鍋の底で冷やされ、蒸留された水が中華鍋の底を伝ってコップの中に落ちる。
扱っている災害は、地震を中心に、火山の噴火、津波、火災、台風、豪雨、土砂災害と多岐に渡っています(新型コロナなど感染症はなし)。
またイラストが多用されており、感覚的に理解しやすい。
感想・本の選定理由等
海底火山の噴火のニュースを見聞きして、怖がりの我が子がビビり始めました。私は子供の恐怖心をエンジンにして、我が家の防災対策を進めています。災害は防ぎようがありませんが、発災時の身体的・心理的・生活的なダメージを軽減することなら私にもできるはず。とはいえ、いつ来るか分からない災害のために、お金も時間もかけたくありません。
そんな私の心に「日常防災」って言葉が刺さりました。とりあえず、この防災の本を読んでみましたが良かった! 考え方とか、具体的なテクニックとか、難しくはないけれど、知らなきゃ実践できないことって色々ありますよね。そういうアイデアが満載でした。
よろしかったらご一読ください。
このWebサイトでは、これまでも防災分野の記事を公開してきました。よろしかったら、以下も併せてご確認ください。
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