子供を抱えたシングルマザーは、一般には災害弱者でしょう。しかし私は事前の対策を強化することによって、弱者なりに災害を乗り切りたいと考えています。
「シングル家庭の防災」シリーズでは、私が行っている防災対策をご紹介します。
私の防災マインドの変化
「天変地異が起ころうと私の身は大丈夫」「世界が滅ぶときでも、私は最後」。若かりし頃、私にはこのような謎の自信がありました。
現在は、日常的に「今、地震が起きたら」と考えながら生活しています。たとえば、残ったカレーの鍋があるとします。地震で床にぶちまけられたら、掃除が面倒。水道が止まっていたら、キレいに片付けられないかも。
なので調理台の最奥に鍋を置き、冷めたら冷蔵庫(扉ロック付き)に移動しています。そんなことをしても、今までその対策に救われた経験はありません。有事の1回のためだけに、膨大な回数の空振りを甘受しています。
人生うまくいかないことが色々あって、「自分だけは大丈夫」なんて思えなくなりました。加えて、そうした能天気な考えは「正常性バイアス」と呼ばれるもので、非常時には逆に身を滅ぼしかねない、ということを知りました。
ここでは、モラハラ夫との別居前後での私の防災意識の変化をご紹介します。
別居前の防災対策
別居前は、防災なんて、思い出すことすらありませんでした。だって、くっそモラハラ夫という、目の前の災難でいっぱいいっぱい。
家の中は収集癖のあるモラ夫の私物で溢れていました。私の本棚は、寝室に置いておくと危ないと思い、子供(現在、保育園児と小学生の二人)が生まれたのを機に寝室を出たところに移動。一方で、防災セットを買った記憶はありますが、どこにあって、何が入っていたのやら。
あの時に大きな地震が発生したらヤバかった……。昼だったら、モラ夫グッズが子供の上に降り注ぎそう。揺れが収まったら、きっと床は見えない。寝ているときだったら、私の本でバリケードが築かれて部屋の外に出られない。
それに、モラハラ夫と避難所暮らしになったら耐えられない。普段、家にいてもなるべく顔を合わせないようにしていたのに、ずぅぅぅぅぅぅっといっしょ。モラハラ夫は不機嫌を垂れ流すに違いない。子供たちや私は我慢か? うわー、サイアク。想像しなければよかった……。
別居後に、私の防災意識は徐々に高まっていきました。
子供たちを守れるのは私だけ!
当初は「子供たちを守れるのは私一人!」という気負いから。いや「別居前だったら、モラハラ夫がいっしょに」と思ったわけじゃないですよ。ヤツは子供を気遣うよりも、かわいそうな我が身を嘆くタイプ。
私がいざというときの心の拠り所としていたのは、ご近所さんたち。別居前なら、子供を預けたり預かったり、情報交換をしたりする相手がいました。でも別居後は顔見知りさえいない街。土地勘もありませんでした。
災害が身近に
水災害や地震、コロナ禍などの非常事態が立て続けに発生しましたよね。かつてと比べてより身近に、そして現実味を帯びて災害を感じるようになりました。
子供たちの恐怖心対策
災害を身近に感じたのは、子供たちも同様でした。テレビで映像を見たり、学校で指導があったり。さらに自分の身に降りかかることを想像して、その上悪い妄想が広がり、子供たちは怖がりました。実際に現実のものとなったら、さらにいっそう、めっちゃ怯えそう。
また『子どものトラウマがよくわかる本』(レビュー)の「災害とトラウマ すでにトラウマをかかえている子ほど影響は深刻」というセクションには、以下の記述があります。
もともと虐待やDVなどがあった場合、家庭内の状況はさらに悪化しやすい
すでにトラウマがあった子どもは、被災体験が新たなトラウマになりやすい
うーん。別居後、子供たちは普段は落ち着いた生活を送っているけれど、モラハラ夫(子供たちには毒父)の話は拒絶するんですよ。トラウマというのは過激な言葉ですが、子供の心の中に傷はある。
これはやっぱり対策せねばならんな、と思った次第です。
防災お役立ちBOOK 3選
実用書LOVE な私は、防災対策せねばと思ったら、まずは防災関連の本を読み漁ります。その中で「これってシングルマザーの私にぴったり 」と思った本を3冊選びました。
まずは『レスキューナースが教えるプチプラ防災』(レビュー)です。だって「プチプラ」ですよ! 来るかどうか分からない災害に、お金をかけたくないじゃないですか。
この本にはお金ではなく知恵を使う対策や、百均で買えるもので行う対策が満載でした。
続いては『東京くらし防災』をご紹介します。これは東京都が作成した冊子で、無料または安価でゲットできます。詳しい入手方法はレビューをご確認ください。
この冊子は、被災後の生活に重点をおいて情報提供をしています。そして対象読者を女性に設定。幼い子供がいる家庭向けの記述もあります。
最後に『クックパッド防災レシピBOOK――在宅避難で役立つ食まわりの知恵から日ごろの備えまで』(レビュー)を挙げます。この本には、ライフラインが止まったときの、防災食のレシピがたくさん載っています。ポリ袋クッキングでご飯を炊く方法など、災害時限定のレシピもあり。
しかし私が良いと思ったのは、通常のときも使える手間なし時短レシピがたっぷりあるところ。いくつか実際に作りました。そういう普段も食べているものがあったら、子供たちの気持ちにも良さそうだと思っています。
長期の在宅避難を視野に入れて、この本を選びました。避難所には全員が入れないようですし、ライフラインの復旧に1カ月を要したケースもあるそうで。
我が家では、上の3冊や、自治体の配布資料(土嚢配布場所のリスト、給水ポイントの地図など)を防災用品と同じ場所に置いて備えています。
ご興味のある本がありましたら、ぜひご準備を!
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