★★★★☆
離婚本の中でも、離婚成立後に役立つ情報が充実。
元夫と交渉できることが分かる。シングルマザーが受けられる公的支援が分かる。
マンガや図表で分かりやすい。
レビュー
本のあらすじ・位置づけ
これは女性向けの離婚の指南書です。
離婚本は多々ありますが、この本の特徴は、離婚済みの方に向けた記述が充実していること。元夫との間に、納得がいかない点や受け入れがたい点があるのであれば、その対策を確認する用途にぴったり。
ありがちなケースを3件、引用します。まずは「DV・モラハラ原因の離婚“後”の注意点」というセクションから。
離婚後にも身の危険を感じたら、地方裁判所に、DV防止法による保護命令(接近禁止命令、電話等禁止命令、退去命令など)を申し立てることができます。これは子どもや親族も保護対象となり、相手が接近してきたらすぐに警察に連絡できるなど支援体制を組むことができます。
続いて「不貞行為で離婚 押さえたい情報は」というセクションにある、慰謝料請求に関する記述です。
不貞行為の慰謝料は離婚後に請求することも可能です。(略)元配偶者に対する不貞行為の慰謝料請求には「不貞行為を知ったときから3年以内」に請求する必要があるので注意しましょう。
最後に子供の養育費に関して「子どもに関する離婚“後”の注意点」というセクションから。
離婚時の養育費の取り決めは、自分よりもまず子どものためにやるべきこと。(略)養育費は離婚後でも将来分を請求できます。
扱っている情報は、別居・離婚する前から、離婚した後まで揃っており、離婚を検討中の女性にも役立ちます。むしろ、勢いで離婚まで突き進む前に、この本を読んでほしい。
さらに、ひとり親への公的支援について扱った章もあり、一通りの支援内容を確認できます。
なお、この本は完全に女性向けで、男性には読みづらいでしょう。妻側の不貞行為や、妻から夫への身体的DVにも触れていますが、あくまでも女性側(有責側)の目線に立って、有利な離婚について説いています。
著者は男性弁護士。法律上の解釈や実例などが載っています。
感想等
一点の瑕疵なき大満足の離婚って、ありますかね?
私は自分の離婚そのものについては、人生の中で良い決断・行動をしたと思っています。でも、細かいところでは、当時は不承不承でも諦めたり受け入れたりしたことでも、今になって振り返ってみると、もうちょっと私に都合いいほうに持っていけなかったかな、って……。
離婚成立後に気になりがちな点を確認できるのが、この本の良い所だと思います。こういうアプローチの本はあんまりないですよね。本の冒頭に描かれた漫画の主人公は、離婚済みのシングルマザーで、共感しやすかったです。
よろしかったら内容をご確認ください。
まとめ
女性向けの離婚本
★★★★☆ (離婚成立後でも元夫と交渉できることや、ひとり親への公的支援について分かる)
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