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幼児や小学生(低学年)に、「虐待を受けていても、あなたは悪くない」ということを伝える絵本。巻末に大人向けの解説あり。
レビュー
虐待されている子供(幼児~低学年)向けの絵本です。ほとんどがひらがなで、「ママ」のような簡単な単語で一部カタカナが使われています。
くまの男の子の「ちびくま」が主人公です。身体的虐待、精神的虐待、性的虐待、ネグレクトが登場します。虐待の連鎖も描かれています。
以降ネタバレあります。ネタバレを飛ばして「まとめ」にジャンプ。
ちびくまは医者の「やぎせんせい」と友達の「たろくま」に打ち明け話をします。それをきっかけに 、やぎせんせい、たろくま、滑り台や木など、ちびくまを取り巻く世界から「あなたは ちっとも わるくない。あなたは そのままで だいじょうぶ」というメッセージを受け取ります。
やぎせんせいは対処法も教えてくれます。
『やめて』といって いいんだよ
子供が加害者に「やめて」と言えない場合に、どうしたらいいかも分かります。
そのひとから はなれるんだ。
そして だれかにはなすんだ。
きみたちが しってるひとに。
最後にやぎせんせいと、涙ぐんでいるおかあさんが会話をしている絵が描かれています。文章からは分かりませんが、ちびくまにとって良い方向に向かいそうな終わり方になっています。
その他にも、文章よりも絵に語らせているの場面があります(たとえば虐待)。生々しくなく、しかも幼い子供にも伝わります。

子供向けの虐待本一般に、親の立場の私が我が子に渡すことには難しさを感じていました。子供達は自分が虐待されているなんて思ってもいなかったので……。モラ夫がいる生活が、子供にとっての普通でした。
この本も、結局、我が子には渡しませんでした。ただ、難しいことを考えられなかった時期でも、子供の本なら読むことができたので、子供への声かけの方法を知るのに役立ちました。すでに子供が理解できる言葉になっているので、助かりました。
虐待の本は、翻訳本が多数ありますが、これは日本人作者によるものです。
虐待しないほうの親であったり、親戚であったり、子供を助け得る大人の方におすすめいたします。
「だいじょうぶの絵本」シリーズ
この本は「だいじょうぶの絵本」シリーズ(全3巻)の第2巻です。1巻では性的な虐待やいたずら、3巻では自己肯定感に関して描かれています。
タイトル | 表紙 |
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発行元は「復刊ドットコム」です。絶版になった本の復刊リクエストをWebサイトで受け付けて、人気の本を復刊させています。
まとめ
虐待を受けている子供が、自分が悪いわけではないと知るまでの物語。
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