★★★★★
誰でもすぐに簡単に実践できる
レビュー
本のあらすじ・位置づけ
子供の自己肯定感を高めるための声掛けの方法を、主に母親に伝授する本です。
目次は次のとおり。
- はじめに あなたは呪いの言葉を使っていませんか？
- 第１章 自己肯定感が低い日本の子どもたち
- 第２章 子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば
- 第３章 悩めるママたちの相談室
- 第４章 お母さんの自己肯定感も高めてしまいましょう
- おわりに
第２章では、単に「魔法のことば」を10個羅列しているわけではなく、唱えるのに適したシチュエーションや心構えも説いています。
また第３章では、センパイのお母さんたちが実践するにあたって生じた疑問に、著者が回答。Q＆A形式で、それぞれ独立して読むことができます。
ところどころに挿絵、グラフ、四コマ漫画を挿入。軽い読み心地です。
感想等
この本で挙げられている「魔法のことば」は、なんてことのないフツーの言葉です。文字面よりも、こっち（親）の気の持ちようや言い方こそが大事なんだと思いました。本の中では「使い方のコツ」として、こうした点がまとめられており、内容は得心がいくものでした。
第３章のQ＆Aでは、離婚した我がモラ夫のことを思い起こさせる質問がふたつ。まずはひとつ目を以下に引用します。
Q11 子どものいいところ（長所）が見つかりません
（略）成績も悪く、スポーツも不得手です。性格も明るいとは言えず、ときおりかんしゃくを起こすのが気になっています。はっきり言って、わが息子には褒めるべきところが見当たりません。（略）
ウチのモラ夫も、子供を褒めること・認めることがありませんでした。なぜ子供にポジティブな声掛けをしないのかヤツに尋ねたことがあるのですが、返ってきたのは「褒めるところがない」の一言。なんかですね、ヤツが決めた基準を超えて、ヤツが満足しないと、子供を褒められないみたい。他人からも「すごいね」などと認められることが重要なようで……。
とんだ勘違いヤローですね。子供は親を喜ばせるために存在するんじゃねーよ。
ちなみに著者は次のように回答。
勉強ができる、スポーツが得意、挨拶ができる、明るい性格…など、世間基準のわかりやすいところしか長所ではないと思い込んでいるママさんが実に多いですが、長所ってそんなものでしょうか？ （略）子どもをよく見ていれば、長所はいくらだって見つかるものです。一見すると短所に見える部分が、実は長所だったりもします。（略）いいところを探す努力をしてください。
そうだぞ、モラ夫よ！ 親の方にも努力や意識改革が必要なんだぞ。
もうひとつ、ウチのモラ夫（離婚済み）のことじゃないかと思った質問は以下。
Q13 夫がしょっちゅう呪いの言葉を吐くのですが…
（略）主人がとにかく口うるさく、毎日のように呪いの言葉を連呼しています。娘はいやいや勉強しているようです（略）。こんなとき、私にできることは何でしょうか？
これに対して、著者は「このままでいいですよ」「一般に、子育てのリーダーシップは母親側にあります。（略）パパのネガティブワードだって、ママのマジックワードで打ち消していくことができます」と回答しています。
こっちの回答については、当てはまらない家庭を知っています。元夫のような父親がいる家庭ですね。ヤツは、子供にべっっっっったり執着。中学受験をネタに、子供に非現実的なほど長時間・大量の勉強を強制しては、モラ夫の満足のいく勉強時間・勉強態度・結果が得られないと、子供をこき下ろしていました。教育虐待ですよね。
思い出すと、子供がかわいそうで、かわいそうで、今でも涙が浮かぶ。
まあ、私の選んだ解決策は、別居・離婚なんですが。何度も何度も父親にこてんぱんにされた子供の心は、母親の声掛けだけで無かったことにはなりませんて。今に至るまでじっくり時間をかけて、私は子供の自己肯定感をケアしていっています。
この本は、具体的な声掛けの方法がぱっと分かって、自分の心ひとつですぐに実行できます。すこぶる実践的なところが、この本の長所。お子様の自己肯定感が気になる方はぜひお手にとってください。
なお、教育虐待関連の本を一覧にまとめています。よろしかったら、併せてご確認ください。
まとめ
子供の自己肯定感を高めるための声掛けの方法を、主に母親に伝授。10個の「魔法のことば」を軸に、言い方も含めて解説。
★★★★★ （誰でもすぐに簡単に実践できる）
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