離婚したら子供がかわいそう? 【神話打破】

神話・誤解

離婚したら、子供がかわいそう。

真実

親の離婚は自分にとって

  • よかった…32.0%
  • よくなかった…23.3%
  • 特になし…44.7%

(親の離婚を経験した子供たちに、成人後に尋ねた結果)

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統計データ

 冒頭の調査結果は法務省が2021年3月に公表した『未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態についての調査・分析業務報告書』から引用しました。以下の記事で、この資料のレビューを行っていますので、よろしかったら併せてご確認ください。

 さてこの調査では、子供の頃に親が離婚した後、成人した子供たちが(20代・30代の男女250名ずつ計1000名)、数々の質問に答えています。この記事でピックアップしたのは、以下の設問です。

Q34 父母の離婚・別居について、今振り返ってみると、どのように思いますか。

 結果は「特になし」と答えた人が44.7%でトップ。続いて、父母にとって離婚がよかったかどうかはさておき、子供本人がよかったと思う人が32.0%よくなかったと思う人が23.3%です。

 世の中で「親が離婚したら子供がかわいそう」と言われているほど、かわいそうな子供が多いわけではありません。「子供って、結構、ドライ!」この結果を見て、私はそう思いました。

 それでは、グラフをご確認ください。以下の軸で回答者を細分化したときの回答結果も掲載しています。

  • 同居親:両親が別居した後に、父母のどちらと暮らしたか
  • 本人(回答者)の性別
  • 別居時の年齢
  • 別居時の兄弟の有無
  • 面会交流の有無:「直接の面会交流なし」は、対面(面会)ではなく手紙などを介して行う交流。

Q34 父母の離婚・別居について、今振り返ってみると、どのように思いますか。

父母にも自分にもよかった
父母にとってはよくなかったが、自分にとってはよかった
父母にも自分にもよくなかった
父母にとってはよかったが、自分にとってはよくなかった
特になし

(単位:%)

 子供の属性で回答者を分類して見てみると、なかなか興味深いです。たとえば、親が離婚したときに、子供が幼ければ幼いほどかわいそうと見られがちですが、そんなことはありません。と言うか、年齢による傾向は読み取りにくいです。

 また全体では「よかった」と思う子供のほうが、「よくなかった」と思う子供より8.7%多い一方で、両親の別居後に父親と暮らした子供は「よくなかった」のほうが7.4%多くなるんですね。子供の親権を持つ確率が母親のほうが圧倒的に高い要因は、この辺りにもある?

 面会交流については、接触が淡泊なほど「特になし」という回答者の割合が多いです。ここは直感的にそうなりそうな感じがします。

 ただ、いずれのケースでも、そんなに強い傾向があるわけではありません。どういう属性の子供であっても、成人したときに親が離婚して「よかった」とも「よくなかった」とも「特になし」とも思う可能性があります。

我が家を振り返って

 私は上の子(娘)が小学生、下の子(息子)が保育園児のときに、モラハラ夫を棄てて、家出&別居しました。

 私が感じた傾向として、やっぱり年上の世代の方ほど「離婚したら子供がかわいそう」と思っている節が……。昔のほうが行政の支援も手薄だったり、世の中の離婚に対する拒否感も多かったりして、仕方ない部分はあるんじゃないかな……。

 私も実母に、あたかも私が子供のことを顧みずに、私の勝手で別居するんじゃないか、みたいなことを言われたことがありました。母自身もモラ夫に疑問を抱いていたのに! どうして子供がかわいそうだと思うか問い詰めても(← 良くなかった)、具体的な理由は出てこないんですよ。まあ、そういう一般論的な言い分は、聞かなかったことにしました。

 また転勤族の友人によれば、地域差というが保育園差・学校差みたいなものが確実にある、とのこと。たとえば園児の数が多い大規模保育園なんかだと、シングルマザーなんて珍しくなく、コミュニティを築いていることもあるとか。そんなところには「子供がかわいそう」なんて概念は根付きにくいですよね。

 そして親の離婚について、モラ夫から見て搾取子だった娘は「よかった」、放置子だった息子は「特になし」って、将来思うような予感がします。

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まとめ

まとめ

親が離婚しても、子供自身が自分を「かわいそう」と思うとは限らない。

成人後に、親の離婚が自分にとって「よかった」「よくなかった」「特になし」と思う人は、それぞれ32.0%、23.3%、44.7%。

この記事で取り上げた資料
  • 未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態についての調査・分析業務報告書
      [レビュー] [公式サイト]

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プロフィール

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 ある日、私は2人の子供を連れて、モラ夫から逃げて別居しました。私自身と子供を守るためです。

 私は年間100冊程度の本を読んでいます。好きなジャンルはファンタジーですが、多読しているのは実用書です。

 このサイトを訪れた方が、少しでも生活を改善したり、気持ちを前向きにしたりする情報を得られたら幸いです。

望木 幸恵

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