子供が臨床心理士のカウンセリングを受けた話(後編)

 この記事は後編です。前編は以下からどうぞ。

 前編では、モラハラ夫が長女と2人で、私の目を盗むように子供向けの心理カウンセリングに通い始めたことを書きました。

 この記事では、私も娘のカウンセリングに付き添うようになったきっかけや、カウンセリングを終了した経緯などをご紹介します。

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相談体験(後編)

初めてカウンセリングに行ってみた

 私(母親)も意外なほど早く、娘のカウンセリングに同行することになりました。たしか3回目からだったと記憶しています。

 そのきっかけは心理士(カウンセラー)からの打診です。カウンセリングの最中に「次回はお母さんに話を聞きたい」と言われたようです。私は自分も参加できることになって、すごくほっとしました。娘がモラハラ夫の意図をくみ取ってカウンセラーに話をして、良くない方向に向かってしまう――このことをずっと危惧していました。


 ともあれ、当日、息子は保育園に預けて、娘・私・モラハラ夫の3人でカウンセリングに向かいました。ちなみに、私がモラハラ夫に事前に知らされていたのは、開始日時くらいでした。行き先も定かでなく、モラ夫が運転する車の中で、私は場所が分かる標識や看板を目で追っていました。

 まあ元々会話のない夫婦ではあったんですが、こと今回のカウンセリングに関しては、モラハラ夫の秘密主義が貫かれていました。私が尋ねても教えてくれることはほぼありません。質問と答えがかみ合わなければ、反応があるだけまだマシ。普通は無視です。

 また、娘ともカウンセリングの様子を詳しく話したことはありませんでした。私が尋ねたら、少しはより詳細な情報を得られたかもしれませんが、娘の負担になるのを避けるために質問は控えました。娘は普段の生活ですでに疲労困憊こんぱい。私とはイヤな話・面倒な話はしたがりませんでした。それに娘の断片的な話だけで、父娘でのカウンセリングが負担であることは十分分かりました。


 到着したのは、病院併設のカウンセリングルームでした。待合室で待っていると、女性が現れて、モラハラ夫と娘を見つけて「こんにちは」と挨拶。その女性に続いて、親子3人で個室に入りました。個室で女性が自己紹介をして、その方が心理士だと初めて分かりました。

「お父さんと娘ちゃんの話は前回までに聞いたので、今日は最初にお母さんから話を聞きたいです」

 心理士がそう告げて、モラハラ夫と娘はすぐにまた待合室に引き返していきました。

 ここまでの対応で、私は心理士に好感を持っていました。たっっっぷりある言いたいことを聞いてもらえますし、個人情報が漏れないように気を使っている様子が感じられました。

 そもそも「娘の様子が心配」というていで、モラハラ夫がカウンセリングを受けていました。その原因に心当たりがあるかを尋ねられたので、モラハラ夫から娘に対する教育虐待について、正直にお話ししました。

 ある意味、事を荒立てることになるのに、モラハラ夫はなぜカウンセリングを始めたのか?――心理士が疑問を口にしたので、「私と張り合っているのではないか」と答えました。つまり、母親である私が主となって(モラハラ夫にはそう見える)児童家庭支援センターに長女のことを相談しているから、自分は有資格者である臨床心理士に相談する、と。娘の窮地を救うのは、母親ではなく父親でいたかったんでしょうね。

 私は娘のカウンセリングには出遅れましたが、自分の言ったことを心理士に信じてもらえた、と思いました。

 また、私の推測では、モラハラ夫や娘の話には、整合性が取れない点や、腑に落ちない点があったのでしょう。「頭の回転の早いモラハラ夫に周囲が騙される」という話も見聞きしますが、ウチのモラハラ夫はアホだったようです。心理士には守秘義務があるため、実際のところモラハラ夫や娘が心理士とどのようなやり取りをしたのかは、知るよしもありませんが。


 この日は、私に続いて娘が心理士と1対1で面談をして終わりでした。モラハラ夫の出番なし。この予定はそもそも前回から決まっていて、心理士としては、母娘の二人だけがカウンセリングルームにやって来る心積もりでいたようでした。ウチのモラハラ夫には、母娘二人での来院なんて受け入れがたく、運転手というていで来たんでしょうね。

 カウンセリングの最後に、次回は母親である私が一人でカウンセリングに訪れることを家族三人で確認して、帰路につきました。

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その後のカウンセリング

 私が一人で面談を行ったのをきっかけに、我が家におけるカウンセリングの中心人物は私にシフトしました。モラハラ夫が機嫌を損ねないように、ヤツの知らないところで1人で通院したり、時にはモラハラ夫と2人で通院したり(往復の時間は苦痛)。

 娘の参加はほぼ見送られました。身体的な不調なら本人を診る意味はあるのでしょうが、娘の精神的な不調は娘に問題があるせいではありません。そんなに頻繁に行く理由は見つかりませんでした。

 それに娘本人がカウンセリングを望んだわけではなく、父親(モラハラ夫)に有無を言わさず連れてこられただけ。心の準備もなく、第三者に自分のことを説明するのって、難しいですよね。突然カウンセリングが始まり、娘はどんなにか困惑したことでしょう。私が同行するのであっても、カウンセリングに拒否感を持っていました。

 果たしてカウンセリングの方向性は、児童家庭支援センターでの相談と同様になっていきました。つまり、モラハラ夫だけに改善が求められるような状況です

 ただ、臨床心理士の話の持っていき方が素晴らしく、当初はモラハラ夫も約束を守ろうとしているようでした。「約束」というのは、○時までに娘が寝られるようにするとか、手を上げないとか、普通の人間には簡単なものです。また「臨床心理士」という肩書も、ウチのモラハラ夫には効き目がありました。

 私に求められたのは、モラハラ夫が約束を守ろうが守らなかろうが一切触れない、というものでした。まあ、モラハラ夫が宿敵認定している私が何か言ったら、モラハラ夫は頑なになっちゃいますよね。

 結果、モラハラ夫でさえも改善するんじゃないかと思えた瞬間もありました

 しかし長続きはしませんでした。モラハラ夫はどこかのタイミングで、自分だけに行動の改善が求められていることについて「自分だけが責められている」と感じちゃったんでしょうね。まったくカウンセリングに足が向かなくなりました。

 結局、私が子供を連れて家出&別居をすることを決意し、カウンセリングは終了しました。最後に、別居先でのカウンセリング窓口(民間)を紹介して頂きました。

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後日譚

 別居後、子供たちはめきめきと元気になり、民間のカウンセリングも公的な相談窓口も利用することはありませんでした。別居前は食が細い子供たちにどうにか食べてもらおうと腐心していましたが、別居後は雑に作った「名もなき料理」でも食べてくれるように。身長・体重の増え方も変わりました。

 ただ、離婚調停中に再度、このカウンセリングルームにお世話になりました。カウンセリングの記録を、離婚調停で使える形で発行していただきました。

 以上です。文字ばっかりの記事を最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

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プロフィール

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 ある日、私は2人の子供を連れて、モラ夫から逃げて別居しました。私自身と子供を守るためです。

 私は年間100冊程度の本を読んでいます。好きなジャンルはファンタジーですが、多読しているのは実用書です。

 このサイトを訪れた方が、少しでも生活を改善したり、気持ちを前向きにしたりする情報を得られたら幸いです。

望木 幸恵

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