モラハラ夫・DV夫からは逃げるしかない?【神話打破】

神話・誤解

モラハラ・DVを受けていたら離婚一択。

真実

離婚するかどうかは当事者が決めること。

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本の教え

 色々な本に、モラハラ夫やDV夫とは離婚することこそが唯一かつ最良の選択肢だと書かれています。一般的な認識としても、「DV夫とは離婚一択」というのがセオリーのようになっています。DV夫の事件が報道されると、「妻はなぜ逃げなかったのか」という声が上がりますよね。

 しかし、モラハラ夫・DV夫の元を去ることの難しさやリスクを指摘する本もあります。そうした本は「夫と別れるかどうかは自分で決めるほかない」というスタンスです。決して同居継続を推奨しているわけではありませんが、夫と同居する場合の心の持ちようや過ごし方であるとか、念のための逃げる準備であるとかを説いています。さらには別れたり戻ったりを繰り返すことにも、前進していると勇気を与えてくれる本もあります。

 私が感じた傾向としては、深刻なケースを扱っている本や、比較的最近になって発行された本に、こうした立場を取るものが多いです。

 該当する記述を以下の4作から順に引用します。

  • DV・虐待加害者の実体を知る――あなた自身の人生を取り戻すためのガイド(レビューを読む
  • DV・虐待にさらされた子どものトラウマを癒す――お母さんと支援者のためのガイド(レビューを読む
  • 殴られる女たち――ドメスティック・バイオレンスの実態(レビューを読む
  • カウンセラーが語るモラルハラスメント――人生を自分の手に取りもどすためにできること(レビューを読む
           

 DV加害者から離れることはとても困難なことです。人々の予想に反して、DVをしない相手から別れる方が、DV加害者から別れることよりずっと簡単です。相手が離れていくことを簡単に許す加害者は、まずいません。

『DV・虐待加害者の実体を知る――あなた自身の人生を取り戻すためのガイド』(ランディ・バンクロフト 著)

 虐待するパートナーのもとを去るかどうか、去るとしたらいつ、どのように去るのかという、複雑で非常に個人的な決断を下せるのは、あなたしかいません。あなたの人生において、パートナーと別れることを強要する――あるいは逆に、彼といっしょにいるように、「彼にもう1度チャンスをあげるように」と強要する――人がいるなら、虐待する男性からの圧力に耐えるだけで精一杯であること、他人に求めるのは、忍耐と理解とチームワークだということを説明してください(略)。

『DV・虐待にさらされた子どものトラウマを癒す――お母さんと支援者のためのガイド』(ランディ・バンクロフト 著)

 しかも、支配から抜け出るのは想像以上に困難なこと。多くの女性たちが、「暴力に耐えているのは苦痛だけれど、どうやって去ったらいいのかわからない」という、どっちつかずのあやふやな状態にいる。激しい肉体的暴力を振るわれている場合は、なにがなんでも去るべき、というのが大半の意見であることは言うまでもないが、周囲の人に相談しようがセラピストに相談しようが、暴力を振るう男性のもとを去るか、そのまま残るか、それを決めるのは他の誰でもない、彼女自身でなくてはならない。

『殴られる女たち――ドメスティック・バイオレンスの実態』(マリー=フランス・イルゴイエンヌ 著)

 モラハラという言葉に出合い、自分の受けていたものが暴力であったのだと気づいた時、どうするべきかというマニュアルは存在しません。各人が、自分にとって良いと思う道を選ぶしかないのです。
 最も大切なことは、誰かに操作されているのではなく、誰かの考えでもなく、自分自身を見つけ出すことです。
 どんな自分が見えてきても、自分を否定しないでください。見つけた自分の心にそって行動していくことが大切なのです。

『カウンセラーが語るモラルハラスメント――人生を自分の手に取りもどすためにできること』(谷本 惠美 著)
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私の経験

 「離婚したほうがいい」という主旨のことを誰かに言ったことや、誰かから言われたことはありますか?

 私は人に言ったことはありません(心の中で、なんで離婚しないんだろう、と思う人はいます)。

 人から言われた経験は2回です。ひとりは女性センターの相談員(相談体験)で、もうひとりは姉でした。いずれも私がいったん離婚を決意した後に、前言撤回したときのことです。「目を覚ませ」という意味であって、決断に至っていないうちに離婚を迫られたわけではありません。

 私が離婚を決めたらママ友は助けてくれましたが、それまでに離婚についての話なんてしませんでした(相談体験)。

 離婚するかしないかなんて、すっごくプライベートなことですよね。そこまで近しくない関係の人や、ましてやネットの住民が口出しすることとは思えません。言う相手がDV・モラハラの被害を受けていようと、受けてなかろうと。

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まとめ

要約

DV・モラハラの被害に遭っていても、夫と別れるかどうかは自分で決める(普通の人と同様)

この記事で取り上げた書籍
  • DV・虐待加害者の実体を知る――あなた自身の人生を取り戻すためのガイド  [Amazon] [楽天] [レビュー]
  • DV・虐待にさらされた子どものトラウマを癒す――お母さんと支援者のためのガイド  [Amazon] [レビュー]
  • 殴られる女たち――ドメスティック・バイオレンスの実態  [Amazon] [レビュー]
  • カウンセラーが語るモラルハラスメント――人生を自分の手に取りもどすためにできること  [Amazon] [楽天] [レビュー]

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プロフィール

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 ある日、私は2人の子供を連れて、モラ夫から逃げて別居しました。私自身と子供を守るためです。

 私は年間100冊程度の本を読んでいます。好きなジャンルはファンタジーですが、多読しているのは実用書です。

 このサイトを訪れた方が、少しでも生活を改善したり、気持ちを前向きにしたりする情報を得られたら幸いです。

望木 幸恵

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