★★★★★
多様な家族構成や生活様式を紹介する本。別居・離婚家庭の子供に、シングル家庭が普通に存在することが伝わる。幼児・小学生(低学年)向け。
レビュー
私はシングルマザーの立場で、この記事を書いています。
この本では冒頭で一昔前の本に出てくる典型的な家族構成(父、母、息子、娘、犬、猫)を示してから、実際に存在する多様な家族構成を挙げています。シングル家庭の子供、祖父母宅で暮らす子供、同性カップルの子供、養子・里子も登場。
住居の説明では家がない人、学校の説明では学校が苦手な子供、仕事の説明では仕事が無くて困っている家族なども描かれており、さまざまな側面から人の多様性を知ることができます。
色々な人がいるという事実を淡々と伝えるだけで、教訓っぽいところも、説教めいたところもありません。先入観や差別意識のない子供なら、事実を事実としてすんなりと受け止められると思いました。逆に大人であれば、ちょっと考えさせられる内容です。
以上は大人である私の見解です。

我が家の下の子(保育園児)は、子供は全員、パパとママと暮らしているものだと思っていました。そんな我が子を相手に、別居前にこの本の読み聞かせをしました。子供に(モラ夫にも)別居の計画を明かしておらず、「世の中には母子家庭もあることをさりげなく子供に伝える」という私の目的にピッタリでした。この本が置いてあっても、モラ夫に離婚の意図がバレないで済むのも良かったです。
我が子は普通の本として、楽しく読んでいました。カラフルで緻密な絵と、手書き文字のセリフ(本文とは別)という2つのシカケが、本の隅々まで施されています。冒頭で猫のキャラクターが「えほんの どこをひらいても かならず どこかに ぼくがいるよ。」と言っていて、『ウォーリーを探せ』的な楽しみ方もあります。
離婚家庭の子供向けに特化した本よりも、このような一般の(?)子供向けの本で離婚家庭を扱っているもののほうが、子供が穏やかに別居・離婚を受け入れられるケースもあると思います。よろしかったら、お子様にお渡しください。
まとめ
多様な家族構成や生活様式を紹介。家族構成、学校や仕事について、休日の過ごし方、服の入手方法など、さまざまな観点からバラエティに富んだ実例を挙げる。幼児から小学生(低学年)向け。
★★★★★ (マイノリティの子供も普通として描かれている)
コメント