★★★★★
シングル家庭で子どもを育てるときの心得や接し方を教えてくれる。著者は児童精神科医。
私はこの本を読んで、気が楽になりました。
レビュー
本の構成
この本の著者は大ベテランの男性児童精神科医。論文・調査結果や臨床例に基づいて、シングル家庭で子供を育てるときの心得を教示しています。
章立ては次のとおり。
- 第1章 ひとりで子どもを育てる子育ての心得
- 第2章 離婚と死別 子どもとの向き合い方
- 第3章 子どもを幸せにする親としての生き方
- 第4章 こんなときどうしたら? 子育てQ&A
といっても、難しいことはありません。二親が揃っている家庭にも当てはまる普遍的な内容もたくさんありますし、シングルだからといって労力の上乗せを強いたりはしません。私は読んで、むしろ気が楽になりました。
また、子供への声かけや接し方についての具体例も載っています。たとえば私は、
- 離婚することを子供にどう説明しよう
- モラ夫(子供の父親)と面会交流を希望したらどうしよう
- 離婚で心に傷が残らないようにするにはどうしたらいいだろう
といったことを悩んでいましたが、それぞれ本の中にヒントがありました。
選定理由・感想
私がこの本を最初に見かけたのは、女性センターの相談窓口(相談体験)の待合室。その後、ほかの相談窓口でも、この本が置かれているのを目にしました。私調べで、DV・虐待関連の行政相談窓口に置かれている本のナンバーワン!
「モラ夫の元では子供たちが健全に育たない」と確信した頃です。それまでの人生で見過ごしてきた「健全」という価値の重要性が身に染みており、タイトルの「健全」の二文字に目が引きつけられました。
当時すでに離婚の意思を固めていたのですが、以下のパートは私が考えていたこととまったく同じで、心強く感じました。
もちろん、子育てにおいては両輪がそろっているのが理想です。
しかし、子どもの発達や成長、成熟にマイナスな影響を与えるおとなというのは、父親や母親に限らず、いないほうがいい場合もあり、子どものために(離婚を)我慢する必要はないと思います。
大人(親)と相対するカウンセラーや相談員と異なり、この本の著者は子供と向き合ってきました。その視点での提言は、親に優しく、しかも子供に効き目のあるものばかりでした。養育中のお子様がいらっしゃるシングル親に、一読をお勧めいたします。
まとめ
「第1章 ひとりで子どもを育てる子育ての心得」「第2章 離婚と死別 子どもとの向き合い方」「第3章 子どもを幸せにする親としての生き方」「第4章 こんなときどうしたら? 子育てQ&A」の4章構成。
★★★★★ (今まさに実践中)
コメント