児童家庭支援センターの育児相談に私もモラ夫も子供も行ってみた(後編)

 この記事は以下からの続きです。

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体験談(後編)

 モラ夫は当初は有給休暇を取るなど仕事を調整して、積極的に相談員との面談に臨んでいました。そもそもイクメン気取りで子育てについて一家言持っており(独善だけど)、相談員との育児に関する会話を楽しんでいるようにも見えました。たとえば自分に都合のいい統計データを持ち出して、相談員から「(知識が)すごいですね」といった言葉を引き出して、悦に入っていました。

 しかし、子供の家庭生活を改善するには、モラ夫に言動を改めてもらわねばなりません。相談員はモラ夫の心理的抵抗が少なそうなポイントから、徐々に改善提案をしていきました。

 ただし言い方として「モラ夫さん、○○してください」のようにモラ夫に対する要求はしていません。「○○する機会があると長男君くらいの年代の子供達は喜びます」「長女ちゃんはこういう環境だと伸びると思います」などと、子供を軸に話していました。私はいつも「うまい言い方!」と内心思っていました。

 面談の直後は、モラ夫の言動に改善が見られました。しかし次の面談まで、その状態が保たれたことはなかったです

 そしてモラ夫は、面談に行くと結局のところ自分が望まない方向に話が向かうことに気づいたようです。ある日を境にぱったりと支援センターに足が向かなくなりました。

 そしてDVは急速に悪化。「しょせん他人の言ったこと」の一言で、それまでの面談で約束した内容をすべて不意にしました。

 事業内容

 全国児童家庭支援センター協議会のWebサイトから事業内容について引用します。

①児童に関する家庭その他からの相談のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものに応じる

②市町村の求めに応じ、技術的助言その他必要な援助を行う

③児童相談所において、施設入所までは要しないが要保護性がある児童、施設を退所後間もない児童等、継続的な指導措置が必要であると判断された児童及びその家庭について、指導措置を受託して指導を行う

④里親及びファミリーホームからの相談に応ずる等、必要な支援を行う

⑤児童相談所、市町村、里親、児童福祉施設、要保護児童対策地域協議会、民生委員、学校等との連絡調整を行う

 子の遊び場を提供したり、親向けの講座や子供向けのイベントを開催したり、あるいはショートステイ・夜間ステイを実施したりするセンターも数多くあります。

 一方で私は、子供の辛さの根本原因のモラ夫をどうにもできず、無力感でいっぱいでした。子供達のことを児童家庭支援センターで相談し続けても、対処療法にしかならないんじゃないかと思いました。

 色々あって(プロフィール参照)、私は別居・離婚を決意しました。このとき、児童家庭支援センター通いを念頭に「私は家族再構築のために、できることはやり尽くした」と思いました。

 相談期間の終盤は、別居・離婚に関する相談が中心になりました。子供には別居の計画を事前に伝えるべきか否か、別居後に子供が○○と言ってきたらどう答えるか、などなど。相談員が繰り返し言ったのは「離婚を子供のせいにしない。子供のためにもしない」ということでした。

 別居して、私の児童家庭支援センター通いは終わりました。最初の相談から2年くらい経っていました。最後は、相談員がはるばる別居先までいらっしゃって、子供達と遊んで下さいました。私は子供を部屋に残して玄関先で見送るとき、感謝の気持ちからやっぱりちょっと泣きました。

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レビュー

 レビューとして、私が感じた良かった点と悪かった点をまとめます。

 まず、児童家庭支援センターに限らず、専門家に相談したことのメリットです。

  • 私も子供も心理的な安定を得られた。親・兄弟・友人よりも深い話ができた。個人情報への意識が、素人(?)よりも高かった
  • オーダーメイドの支援を受けられた。モラハラ本やDV本の内容が我が家に当てはまらないケースや、本に書かれていないケースでも専門家の見解を聞けた

 続いて、児童家庭支援センターに相談したからこそ感じたメリット・デメリットです。

 良かった点

  • 行きやすかった。普通の(?)親子も遊びに行く場所で、私も利用経験があったので、行きづらさはありませんでした。これが児童相談所だったら、モラ夫を連れ出すのは厳しかったと思います
  • 大人向けの相談機関より、子供対応に一日の長がある。児童心理士など相談員以外の子供の専門家もいました
  • 地域の公的機関とのつながりがある。小学校、保育園、役所、児童相談所などと連携してくれました。
  • 相談実績が公文書としてまとめられており、その文書を離婚調停で使えた(ただし2年という相談期間の長さが調停でモノをいいました)

悪かった点

  • モラ夫の言動が本質的に変わることはなく、子供の辛い思いは軽減することはあっても別居直前まで続いた。制度的に親を加害者と見なすようなことはしていません。深刻なケースは児童相談所に送られるようです
  • 縦割り。内閣府が関与する女性問題の相談機関(女性センター、男女共同参画センターなど)とは連携していません
  • 混雑していて、次の面談まで間が空くことがある
  • 年度替わりで、相談員が人事異動の対象になることがある。そのことが、面談に行ってみて初めて分かるケースも。民間の相談機関(カウンセリングなど)だと、相談員の変更にはかなり慎重だと思います
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この頃に役立った本

 別居を決める前は、DV家庭・虐待家庭で母親である私が子供にどう接していけばいいか、という情報を探していました。ネット上では「家を出るのがいい」という論調が優勢でしたし、本は児童相談員や児童カウンセラーなど専門家向けの本ばかりでした。そんな中、やっと見つけたのが、『DV・虐待にさらされた子どものトラウマを癒す――お母さんと支援者のためのガイド』(レビュー)です。と言いますか、この本しか見つかりませんでした(他にあったら、コメントやお問い合わせフォームから教えて頂けると嬉しいです)。

 この本では別居や離婚を勧めているわけでありませんが、選択肢として挙げてはいます。また、その後の面会交流についても解説しています。

 モラ夫が子供にとっては毒父だと思う方に、おすすめいたします

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プロフィール

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 ある日、私は2人の子供を連れて、モラ夫から逃げて別居しました。私自身と子供を守るためです。

 私は年間100冊程度の本を読んでいます。好きなジャンルはファンタジーですが、多読しているのは実用書です。

 このサイトを訪れた方が、少しでも生活を改善したり、気持ちを前向きにしたりする情報を得られたら幸いです。

望木 幸恵

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