友人に「夫がおかしい」と相談してみた――体験談&統計データ

 人にプライベートなことを明かして相談するタイプではない――私は自分のことをずーっとそう思っていました。しかし、元夫のモラハラに一人で抗しきれず、「子供のため」と思うことでようやく人に相談する勇気が出ました。この記事では、ママ友に相談した経験をつづります。

 なお「友人に感謝していること」という切り口で、以下の記事を公開しています。よろしかったら合わせてご覧ください

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友人に相談してみた

 私はモラ夫のモラモラな部分を誰にも明かしてきませんでした。家族ぐるみの付き合いのママ友にも、長らく仲の良い夫婦だと思われていました。「友人や第三者には、自分が幸せであることをアピールしたい」(『カウンセラーが語るモラル・ハラスメント』より)という心理もありましたし、家の恥だという思いもありました。まあ、普通レベルの愚痴はこぼしていたんですが。

 最初にママ友のひとりに、うちのモラ夫が子供相手に泣き落としをして、子供が父親(モラ夫)を慰めたことを伝えました。直感的にヤバさを理解してくれました。その後、彼女に徐々に打ち明け話をする一方で、他のママ友にも軽めに伝えました。すると、我が家で何が起きているか詳しいことは聞かずとも、窮状を察して私のことも子供たちのこともたくさんたくさん助けてくれました。私は行政の支援も受けていたのですが(相談体験)、別の形で心理面や生活面のサポートを近所のママ友軍団から得ました。また遠方の実家よりもきめ細かく生活に則した話もできました。

 別居前は、閉塞感が支配する家から、子供や私をよく連れ出してくれました。だいたいモラ夫が付いてきたがるのですが、パパ友も参加して、モラ濃度を下げてくれました。ある本の中の以下の記述どおりに、我が家を助けてくれました。

 子どものためにも、隔離と闘ってください。たくさんの遊び仲間と関わらせるように努め、健全な親戚など思いやりのあるおとなに、子どもの人生において積極的な役割を果たしてくれるよう働きかけてください。パートナーのような行動をしない、ほかの役割モデル――ほかの男性――が存在するということを、子どもが理解できるよう支援しましょう。

『DV・虐待にさらされた子どものトラウマを癒す――お母さんと支援者のためのガイド』

 また、子供を通じた付き合いが、私と子供はもちろんのこと、モラ夫のストレス解放の機会にもなりました(そのほうが子供がやつあたりされない)。私はろくに料理も掃除もできなくなっていましたが、おいしい手料理もたくさん頂きました。別居の際も別居後も変わらず気にかけてもらっています。

 もちろん友達はモラハラのプロ(?)ではないので、直接的にモラハラを解決してくれるわけではありません。そもそも「モラハラ」という単語自体、会話の中でほとんど出ませんでした。

 中には、ちょっと話したところで、興味本位に聞き出そうとする方もいました。子供同士の仲が良かったので、距離を置くようなことはしませんでしたが、以降、打ち明け話はしませんでした。相手を選ぶ必要はあると思います

 モラハラ本のなかには、(専門家ではない)身近な誰かに話をしてみることを勧めるものが多数あります。相談相手としてふさわしい人についての記述を引用します

もし、あなたの周りに、あなたにこうするべきああするべきと指示せず、過剰にあなたをほめたたえず、ただただ、あなたを応援してくれて、あなたが考えて起こした行動が失敗しても成功しても、あなたを見る目を変えない人がいたら、それはあなたにとって必要な人です。

『カウンセラーが語るモラルハラスメントーー人生を自分の手に取りもどすためにできること』

本当に信頼できる人々は、被害者を裁くことなく、いつでも役に立とうとそばにいてくれる人々だ。何があろうと、自分自身でいることができる人々である。

『モラル・ハラスメントーー人を傷つけずにはいられない』

 ありがたいことに、私が最初に相談したママ友は、これにあてはまっているんです。私が別居を決めたときも、その決断をあきらめたときも、そしてもう一度、今度こそ本当に別居を決意したときも、ただ話を聞いて、私が決めた方向に賛意を示してくれました。

 知識が豊富で(縦割りの日本のシステムと比して、海外では子供に対する虐待の聞き取りは1回だけの国もある、と教えてくれた)、世間知にも通じていて(うちのモラ夫を出し抜くのに協力してくれた。上手だった)、冷静で(私が涙ながらに話をしても泣いたことはない)、口がバリ固で(ご主人にも他の仲のいいママ友にも秘密厳守)、別居後にかつての知り合いに聞かれたら、うまいこと言ってくれました。彼女に何かあったら私も手助けしたいんですが、強くて自立しているので、自分で解決してしまうような人です。

私

彼女へ

もしも、この記事に気づいて、私だと分かったら連絡をください。飲みにいきましょう。別居後初めて2人で会ってビール&焼肉ランチで祝杯を上げたあと、そっとごちそうしてくれたときの、きめ細やかな優しさは忘れません。感謝を込めて、今度は私がごちそうします。

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この頃に役立った本

 思い返してみると、夫が子供に泣き落としをしたことを友人に伝えた頃は、夫のヤバい言動に名前があるなんて考えてもいませんでした。つまり、モラハラとか虐待とかいう単語が、自分に関係あるものだと気付かず、そうした本を探してすらいませんでした。

 そんな状況の中で目に留まった本は『となりの脅迫者――家族・恋人・友人・上司の言いなりをやめる方法』(レビュー)です。モラ夫がしょっちゅう「○○しないと、○○するぞ」のような言い方で娘を意のままに操ろうとしていて、「そんなのはしつけじゃない、脅しだ!」とモラ夫に抗議したばかりの時でした。まあ、タイトルにかれた訳ですね。

 読んでみると、目から鱗な情報がたっぷりありました。著者は『毒になる親』(レビュー)を上梓したスーザン・フォワード氏。ネーミングセンスから分かる通り、言い表しがたい脅迫のメカニズムを抜群の表現力で解説しています。

 すこぶるつきの良書で海外では大人気。『世界の心理学50の名著』にも選出されています。

 ただ、日本ではあまり有名じゃないですよね? この本が手元にあれば救われる人もいるだろうと思い、私はこのサイトで最初の記事は、この本のレビューにしたのでした。モラハラ野郎に対抗するために、よろしかったらご一読ください

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調査データ

 配偶者から何らかの暴力(身体的暴行、心理的攻撃、経済的圧迫、性的強要)を受けた人に対して、被害についてだれかに相談したかと訊ねた調査があります。『男女間における暴力に関する調査報告書』(内閣府男女共同参画局、平成29年12月アンケート調査、平成30年3月公開、レビュー)から、この結果を引用します。

 誰にも(どこにも)相談していない人が多くを占めますが、友人・知人へ相談した人は、女性では33.0%、男性では13.0%になります。

配偶者からの暴力の相談先(複数回答、単位%)
  • 1 弁護士・弁護士会、カウンセラー・カウンセリング機関、民間シェルターなど
  • 2 以下を除く、市役所などの公的機関警察
    • 配偶者暴力相談支援センターや男女共同参画センター
    • 法務局・地方法務局、人権擁護委員
  • 3 配偶者暴力相談支援センター(婦人相談所等)および男女共同参画センター
  • 4 教員、養護教諭、スクールカウンセラーなど
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まとめ

まとめ
  • ふさわしい相手なら、支援してくれる
  • 配偶者から何らかの暴力を受けた人の中で、友人・知人に相談したのは、女性では33.0%、男性では13.0%
この記事で取り上げた書籍
  • この頃に役立った本
    • となりの脅迫者――家族・恋人・友人・上司の言いなりをやめる方法
        [Amazon] [楽天] [レビュー]
  • その他の書籍

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プロフィール

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 ある日、私は2人の子供を連れて、モラ夫から逃げて別居しました。私自身と子供を守るためです。

 私は年間100冊程度の本を読んでいます。好きなジャンルはファンタジーですが、多読しているのは実用書です。

 このサイトを訪れた方が、少しでも生活を改善したり、気持ちを前向きにしたりする情報を得られたら幸いです。

望木 幸恵

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