本『自分に気づく心理学 愛蔵版』のレビュー

おすすめポイント

★★★★☆ ロングセラー

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レビュー

 この本は、親やパートナー(夫・妻)の言動や態度によって引き起こされた生きづらさについて、そのメカニズムや心理を淡々と、そして次々と解説するものです。読者を被害者と想定して、労わりの言葉を述べたり、「あなた」といった二人称を使って語りかける本もありますが、それらとは異なります。この本は、著者が行った心理分析の結果についての説明書といった印象です。

 対策(心の持ちよう)も語られていますが、さらっと触れている程度。実践するには別の本なり相談相手なりの助けが必要になりそうです。

 また著者ご自身も父親に葛藤を抱いていたことが明かされています。

 なお構成が今ひとつはっきりせず、外形的には読みづらさがあります。「まえがき」「はじめに」「序章」といった類のものがなく、いきなり本文が始まりました。また、重複する記述が散見されます。

 しかし、この本の素晴らしいところは、一つ一つの心理分析の内容やエピソード、例えが秀逸な点。身に覚えのある記述が随所に登場しました。その中から、特に印象に残っているものを一つピックアップします。

 子供が感じるように感じることは禁じられているのである。我執のつよい親が期待するように感じなければならない。
 そして支配的な親ほど、子供の感じ方につよい要求を持っている。それは子供の感じ方が自分の心理に影響を持つからである。
 それは幼児を見ていればわかる。自分の感じ方を周囲の人におしつけてくる。
「ね、すごいでしょ」「ね、面白いでしょ」と自分にとって重要な人間に対して、ある感じ方をおしつけてくる。それに対して、大人が反対のことを言えばものすごく怒りだしたり、ぐずったりしはじめる。
 依存心のつよい親、つまり幼児性を残している親は、やはり同じなのである。しかも小さい子供より始末がわるい。なぜなら自らの幼児性を、道徳とか規範という名において正当化してくるからである。
 自分の期待通りに子供が感じたり、動いたりしない時に、小さい子供のようにぐずるのではなく、「どうしてお前は……」と道徳を持ち出して責めてくる。

 著者は加藤 諦三たいぞう氏。ラジオ番組「テレフォン人生相談」に長年に渡ってパーソナリティーとして出演中です。著書に批判的な読者がいる一方で、数多くの熱心なファンもいます。ネガティブなコメントに対する、私なりの考えは次の通りです。

  • (被害者の立場の読者の感想として)読み進めるのがつらい ⇒ そう思う人もいるはず。被害者を直接的に癒すような言葉はない
  • 学術的な根拠が示されていない ⇒ 確かに明示されていない。しかし当事者として、我が家の実態に沿っていると思った
  • 対処法が分からない ⇒ そう感じてもおかしくない。親切な書き方はしてない
  • くどい ⇒ そう思う。ただし、ちょっと我慢しつつ読むと、得るものがある

 このサイトでは、加藤氏の『モラル・ハラスメントの心理構造』という別の著作のレビューも行っています。よろしかったらご覧ください。

私

 私には「子供に執着するモラハラ夫」がいました(離婚済み)。そして彼は、自分の父親(私にとっては元舅)の犠牲になっていると思っていました。

 なにか気付きが得られるのでは、と思って我がモラ夫(元)に勧めたことがありますが、結局、読みやしなかった……。

 この本は被害者と加害者に二分して語っているわけではありません。また著者は男性です。モラ夫(元)でも、読みやすいと思ったんだけどな。

 私にとっては、どうも「自分に気づく心理学」というより「モラ夫に気づく心理学」という形で、この本を読み進めていました。また、まだうまく言葉で説明できなかった子供の心理にも気づくことができました。

 この本には、息苦しい家庭で生活する方それぞれに、思い当たる記述があります。ぜひご一読ください。

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まとめ

要約

親やパートナー(夫・妻)の言動や態度によって引き起こされた生きづらさについて、そのメカニズムや心理を淡々と、そして次々と解説する。対処法にも簡単に触れる

評価(お役立ち度)

★★★★☆ (読みづらいが、有益な情報を得られた)

基本情報
  • タイトル:自分に気づく心理学  [Amazon] [楽天] [レビュー]
  • 著者:加藤 諦三  [Webサイト]
  • 出版社:PHP研究所
  • 発行日:1987年(単行本 初版)
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 ある日、私は2人の子供を連れて、モラ夫から逃げて別居しました。私自身と子供を守るためです。

 私は年間100冊程度の本を読んでいます。好きなジャンルはファンタジーですが、多読しているのは実用書です。

 このサイトを訪れた方が、少しでも生活を改善したり、気持ちを前向きにしたりする情報を得られたら幸いです。

望木 幸恵

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