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精神医学の入門書。精神科で診る心の病や症状について、ひとつずつ章立てをして解説。巻末には、精神科にかかる場合のメッセージあり。
子供向けだが、大人にも分かりやすい。
レビュー
精神医学の入門書です。精神科で診る心の病や症状について、ひとつずつ章立てをして解説しています。具体的には次のとおり。
- 第1章 みんなのように上手にできない——「発達障害」について
- 第2章 人とつながってさえいれば——「ひきこもり」について
- 第3章 人づきあいが苦手なんです——「対人恐怖/社会不安障害」について
- 第4章 やめられない止まらない——「摂食障害」について
- 第5章 自分がバラバラになっていく——「解離」について
- 第6章 トラウマは心のどこにある?——「PTSD」について
- 第7章 「困った人」とどうつきあう?——「人格障害」について
- 第8章 なぜか体が動かない——「うつ病」について
- 第9章 意外に身近な心の病——「統合失調症」について
ただし上で挙げた章立ては、正確に言うと「病気」で分類しているわけではありません。病名でも、診断名でも、障害の名前でもないものが含まれています。
それぞれの章では、症状や診断基準、治療法について解説。ところどころに図解、脚注、挿絵なんかが入っています。
シリーズで100冊近くある「14歳の世渡りシリーズ」の中の1冊。思春期の子供たちにも分かりやすく親しみやすい言葉遣いで、語りかけるように話が進行します。
巻末の「ふろく」には、以下の2つのメッセージを収録。それぞれ患者または医師として、将来的に精神科と関わる際に役に立つものです。
- もしも精神科にかかるときには
- 精神科の仕事に関心を持ったら
この本は精神科医お二人(表紙の絵の方)の共著です。
なお、いまだに解明されていないことも多いようで、そうした点にも率直に触れています。
「世界一やさしい」という名に違わず、この本は大人の私も読みやすいかったです!
私は専門家に、元夫のモラハラや子供への虐待について相談した経験があります(相談体験)。その折には、自分の手に余る問題についてプロの助力を得るメリットを実感しました。しかし誰かに相談するまでには、心理的な壁が……。精神科にかかるのは、特にハードルが高い!
そんなとき、まずは誰にも知られずに知識を得られるのがこの本です。ふろくの「もしも精神科にかかるときには」では、どんなときに精神科を訪れるのか、精神科と心療内科の違い、などが載っています。
この本で扱っている心の病が気になる方や、精神科の受診を迷われている方に、ご一読をおすすめいたします。
「14歳の世渡り術」シリーズ
表紙 | 本 |
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まとめ
精神医学の入門書。精神科で診る心の病や症状について、ひとつずつ章立てをして解説
★★★★★ (大人にも分かりやすい)
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