★★★★★
瞑想の手順だけでなく、根拠も示している。宗教的な面は排しており、読みやすい。
レビュー
瞑想の手順を解説する本です。瞑想の効果や歴史、科学的な分析結果などにも触れています。
著者の宝彩 有菜氏は瞑想関連の本を多数上梓(ただし複数の本で重複する記述も散見される)。瞑想の具体的な手順が掲載されている点はどの本にも共通していますが、本ごとにフォーカスしているポイントが少しずつ異なります。この本では瞑想の科学的な根拠に迫っています。
脳の研究をしている自治医大の教授と協力して、著者の瞑想中の脳の活動を計測し、その結果を本に掲載しています。著者がヘルメット状のセンサーを被って瞑想を行いながら脳波を測定する実験を繰り返し、以下のことが分かったと、述べています。
①瞑想を開始してから、しばらくは、前頭葉が異常に活発な活動をする。
②その後、前頭葉の働きは極端に落ち、ほぼ活動していない状態になる。
③また、過去の記憶にアクセスしているときは、後頭葉の働きが著しく活発になる。
瞑想開始からの時間経過(横軸)に対する、前頭葉と後頭葉の脳波のグラフも掲載されています(ただしグラフの縦軸が脳波の何を表しているのか明示されておらず、チョットキモチワルい)。
なお『始めよう。瞑想』の4年後に『楽しもう。瞑想――心に青空が広がる』が発行されています。こちらでは、瞑想を上達させるためのコツが披露されています。
瞑想には色々と流儀がありますし、指導者のカラーも違います。スピリチュアルに寄っていたり、宗教絡みだったりすると、ちょっと引いちゃう。また「風が吹けば桶屋が儲かる」並みに、根拠を示さずに瞑想の効能が並べ立てられていると、むしろアヤしい。
この本は、それとは違い、私が素直に瞑想に取り組むきっかけになりました。よろしかったらご確認ください。
まとめ
瞑想の手順を紹介。瞑想中の脳波を示すなど、科学的な見地からの解説もある。
★★★★★ (素直に取り組めた)
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