本『ライフピボット――縦横無尽に未来を描く 人生100年時代の転身術』のレビュー

おすすめポイント

★★★★★ ベストセラー

現代における働き方の指南書。どんなライフスタイルでも経済的に生き抜く準備ができる

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レビュー

本のあらすじ・位置づけ

 現代における働き方やキャリア形成について説いた本です。

 耳慣れない「ピボット」という用語を紹介している部分をさいしょに引用します。

 まず、ピボットという言葉について説明しておきましょう。みなさんは、バスケットボールをやったり試合を観たりしたことはありますか? バスケットボールでは、ボールを持ったままその場で軸足を動かさずにもう一方の足を動かしてフェイントしたりパスを出す方向に体を向けたりする動きがよく見られます。これをピボットと呼びます。軸足の事をピボットフットと呼び、もう一方の自由に動かせる足をフリーフットと呼びます。フリーフットはその名のとおり、360度好きな方向に踏み出すことができます。

 わたしたちは経験の蓄積と偶然を軸足(ピボットフット)にして、360度好きな方向にフリーフットを踏み出し、キャリアを転換することができます。あるときは右へ、あるときは左へ。こうしたライフピボットを何度も何度も繰り返すことで、うねうねと曲がったキャリアの軌跡が描かれていきます。

 この本では「人生を一つ二つのライフスタイルで生き抜くことは難しく、何度もライフスタイルを転換することが当たり前になります」と述べています。そのライフスタイルの転換に合わせて、生き方を柔軟に変えていく必要がありますが、フォーカスしているのは生活の糧を得ること(仕事)です。

 社会人になってから定年退職するまで同じ会社で勤め上げる終身雇用が機能しなくなった現代に合わせて、新しい働き方を紹介。もっとも大切なのは仕事との向き合い方・考え方ですが、それが「ライフピボット」という言葉に集約されています。言ってしまえば「転職」なのですが、それにも準備や心構えが必要です。この本では「蓄積」と称して、現代ならではの6つのアクションを提案(以下)。それぞれを詳しく解説しています。

  1. マッチングサービスを利用する(働き口と働き手のマッチング)
  2. 発信し続ける
  3. イベントに登壇する/主催する
  4. コミュニティに参加する/主宰する
  5. ギグワークをする
  6. ギブワークをする

 副業や、さらにはグラフィックレコーダー、コミュニティオーナー、ディスカッションパートナーのようなちょっと聞いたことのない職業にも触れています。

 最後にライフピボットを繰り返した先の人生について論じて、本は終わります。

本の選定理由・感想等

 ビジネス書に分類される本ですが、内容はシングルマザーやその予備軍にもぴったり! そう思って、このサイトで取り上げました。

「小さい子供がいるから働きに出られない」「働いた経験がない」といった理由で経済面から別居・離婚をためらうケースは、今も昔も珍しくはありません。二馬力が一馬力になればどうしたって世帯収入は下がります。

 しかし昔と比べて、お金を稼ぐ手立てのバリエーションが増えました。シングルマザー・シニア・未経験者のような、一般には就活弱者とされる属性の人にとっては、むしろ良い世の中になったのではと、私は思っています(終身雇用を希望している向きには不利な世の中になったと思いますが)。

 それにライフスタイルが変わるなんて、まさに別居がそうじゃないですか。この本の中にピンとくる表記があったので引用しておきます。

人生を一つ二つのライフスタイルで生き抜くことは難しく、何度もライフスタイルを転換することが当たり前になります。このような状況では、仕事や人生について綿密に計画してもあまり意味がありません。計画は常に変更を余儀なくされるでしょう。だとしたら「計画」よりも、どんな変化にも対応できる「準備」を進めておくほうがいい。長い人生のうちに変化は必ず起きるのです。それは1ヶ月後かもしれないし5年後かもしれない。いつかはわからないけれど、必ず起きると想定して、どんな変化があってもライフスタイルの転換で適応できるような準備をしていきましょう。

 この本は将来に渡って経済的に自立していたい人に指針を与えてくれます。私はシングルマザーへのエールのように感じました。ぜひご一読ください

ライフピボット――縦横無尽に未来を描く 人生100年時代の転身術

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まとめ

要約

先を見通せない現代における働き方の指南書

評価(お役立ち度)

★★★★★ (私も「蓄積」していこうと思った)

基本情報
  • タイトル:ライフピボット――縦横無尽に未来を描く 人生100年時代の転身術
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  • 著者:黒田 悠介
  • 出版社:インプレス
  • 発行日:2021年2月21日

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プロフィール

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 ある日、私は2人の子供を連れて、モラ夫から逃げて別居しました。私自身と子供を守るためです。

 私は年間100冊程度の本を読んでいます。好きなジャンルはファンタジーですが、多読しているのは実用書です。

 このサイトを訪れた方が、少しでも生活を改善したり、気持ちを前向きにしたりする情報を得られたら幸いです。

望木 幸恵

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