本『おとめ六法』のレビュー

おすすめポイント

★★★★★

女性が巻き込まれがちなトラブルについて、関係の深い法律の条文、対策をしたい場合の手続き、事例などが分かる。

学生、社会人、既婚女性、離婚後の女性などすべての「おとめ」に役立つ。

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レビュー

 この本は女性が出くわすかもしれないトラブルに対して、法的な見解や対策を掲載しています。2人の弁護士の共著です。

 以下の6つの章に分類して、さまざまなシーンごとに関係の深い条文、対策をしたい場合の手続き、よくあるトラブルの事例などを掲載しています。

  • Chapter 1 恋愛のトラブルと法律
  • Chapter 2 SNS・インターネットのトラブルと法律
  • Chapter 3 学校のトラブルと法律
  • Chapter 4 くらしの中のトラブルと法律
  • Chapter 5 しごとのトラブルと法律
  • Chapter 6 結婚のトラブルと法律

 章のタイトルを見ると分かりますが、学生、社会人、既婚女性、離婚後の女性などすべての「おとめ」に役立ちます。この本のレビューで、自分が読むだけでなく「娘に渡す」というものもありました。

 本で扱っているトラブルのうち、DVや虐待を扱ったこのサイトと関連のあるものを一部ピックアップします。

配偶者からの暴力・DV
大切な生活を根っこから奪う

見えにくいこころの搾取・モラハラ
「本当は良い人」という思いが罠になる

養育費が払われない
あの子のことを忘れないで

 また、子供への虐待について「親権の濫用らんよう」と表現しており、これは言い得て妙だと思いました。コラムから引用します。

Column 10 「毒親」は親権の濫用
「わたしの子どもなんだから、なにをしてもいい?」

(略)

 親は、子どもの利益のために、子どもの監護をし、教育をする権利があります。そして、これは義務でもあります(民法第820条)。

「子の利益のために」という言葉は、児童虐待防止の観点から、2011年の民法改正により追加されました。親が好き勝手に子どもを支配していいわけではないことは当然の前提と思われていましたが、親権の濫用による虐待が増えてきたため、民法に明記されました。

 「しつけのため」「教育のため」という言い分は、よく親の側から発せられます。適したレベルなら薬になるのでしょうが、過度なら毒々しい。我が夫も悪意に満ち満ちて子供を虐待していたわけではなく、本人の心の中では子供のためだという理屈をこね回していました(認知のゆがみ)。この本を読んだときにはすでに離婚が成立していましたが、離婚調停中に「親権の濫用」という表現を知っていれば、絶対に使ったのに。

 なお、表紙と同様に本の中身にも優しいイラストが添えられ、穏やかな色使いがなされています。Kindle(アマゾン)やKobo(楽天)といった電子書籍版には、描き下ろしのイラストが特典に。全体の雰囲気としては優しいのですが、細かい字で詳細な情報が詰め込まれています。

 この本の情報が役立つときがくる場合に備えて、今お困りでない方も含めてすべての女性におすすめします

 このサイトでは、子供向けの『こども六法』についてもレビューを行っています。ぜひ以下の記事からご確認ください。なお『おとめ六法』と『こども六法』は、タイトルが似ているだけで著者も出版社も異なります。

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まとめ

要約

女性が巻き込まれそうなトラブルを取り上げ、さまざまなシーンごとに関係の深い条文、対策をしたい場合の手続き、事例などを掲載

評価(お役立ち度)

★★★★★ (自分と娘のために1冊用意した)

基本情報
  • タイトル:おとめ六法  [Amazon] [楽天] [レビュー]
  • 著者:上谷 さくら(弁護士)、岸本 学(弁護士)
  • イラスト:Caho
  • 出版社:KADOKAWA
  • 発行日:2020年5月28日
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 ある日、私は2人の子供を連れて、モラ夫から逃げて別居しました。私自身と子供を守るためです。

 私は年間100冊程度の本を読んでいます。好きなジャンルはファンタジーですが、多読しているのは実用書です。

 このサイトを訪れた方が、少しでも生活を改善したり、気持ちを前向きにしたりする情報を得られたら幸いです。

望木 幸恵

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