本『村上世彰、高校生に投資を教える。』のレビュー

おすすめポイント

★★★★★

資産を増やすことだけでなく、お金や投資の本質を学べます。

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レビュー

 この本は、投資家の村上世彰よしあき氏による株式投資の指南書です。

 村上氏は2019年度にN高校(KADOKAWA・ドワンゴが創るネットと通信制高校の制度を活用した、
新しいネットの高校 ← 高校のホームページより)にて、投資部の特別顧問として高校生に座学と演習を提供しました。部員は村上財団から資金提供を受け(一人20万円。途中で50万円・100万円へ増資された者もいる)、実際に株を売買。ちなみに、最終的に利益が出れば生徒のもの(原資は寄付という形で返す)、損害は村上財団がかぶる、というルールです。

 その講義や質疑応答の内容を一冊にまとめたのがこの本です。

 巻末には高校生のレポートの一部も掲載されています。2019年度と言えば、冬に入る頃から新型コロナウィルスのニュースを耳にし始め、年明けの3月には緊急事態宣言が発令。日経平均がダダ下がりする中で「医療関連銘柄などに目を配り、コロナ影響下でも資金を増やすことに成功」した部員もいたんですね。

私

 すごい!

 この本からはお金や、株、会社、投資の原点・本質を学ぶことになります。

 あなただけにこっそり、みるみるお金を増やす裏ワザを伝授 ♪ ――なんてことは、書かれていません。個人個人の金銭的な利益を目指しているわけではないのです。著者の考えが分かる部分を引用します。

 私が投資部の授業をやらせていただいているのは、投資の本質を知ってもらいたいということと、投資を通じて経済や世の中のことを知ったり、考えたりして欲しいという思いからです。

 お金の本質を多くの若者に理解してもらいたい。

(略)

 投資教育といえば、「資産を増やす方法」を教えることだと、期待されたと思います。もちろん、この点についても生徒たちに真摯に語ったつもりです。でも、自分の利益ばかりを考えて投資することは、投資の本質ではないと思っています。
 投資の本質とは何か。これを深く掘り下げていくと、世の中全体を幸せにしてく力だと答えます。そのことを理解して、世の中のどんなことに役立つのか、どんな風に良くできるのか、ということを考えながら、お金を投じるのが投資の原点だと思っています。


 DVとかモラハラとか離婚とかを扱ったこのWebサイトで、なぜ投資の本を取り上げたのか? その理由は、経済的DVを受けている方や、金銭的な理由で別居・離婚ができない方、別居中の金困シングルマザー(=私)に役立つ情報があると思ったからです。経済的な苦境に対処する方法として「働く」「節約する」「支援を受ける」なんかの他に、「投資する」があってもいいですよね。もちろん明確な理由があって投資をしないという選択もあり得ますが、食わず嫌いで投資をしないのはもったいないんじゃないかと。

 昔は証券会社の窓口に出向いて口座を開設した後、それなりのお金がないと株の売買ができませんでした。今はネット証券もありますし、数百円とか、何ならポイントでも投資可能。

 この本は、高校生だけでなく、投資経験がない大人や投資で失敗した大人にも、投資について真剣に考えるきっかけ・ネタを提供してくれます。ぜひご一読を

村上世彰、高校生に投資を教える。

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 なお、N高生は事前に、村上氏の著書『いま君に伝えたいお金の話』を読んでから、部活に臨んでいるとのこと。このサイトでもレビュー(書評)を掲載していますので、よろしかったらご確認ください。

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まとめ

要約

著者がN高校 投資部の特別顧問として高校生に提供した投資教育の内容を収録。生徒との質疑応答や、生徒のレポートも掲載。

評価(お役立ち度)

★★★★★ (大人の私にも分かりやすかった)

基本情報
  • タイトル:村上世彰、高校生に投資を教える。
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  • 著者:村上 世彰
  • 出版社:‎ KADOKAWA
  • 発行日:‎ 2020年7月17日(単行本 初版)
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 ある日、私は2人の子供を連れて、モラ夫から逃げて別居しました。私自身と子供を守るためです。

 私は年間100冊程度の本を読んでいます。好きなジャンルはファンタジーですが、多読しているのは実用書です。

 このサイトを訪れた方が、少しでも生活を改善したり、気持ちを前向きにしたりする情報を得られたら幸いです。

望木 幸恵

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