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生涯投資家=村上世彰氏と、生涯漫画家=西原理恵子氏によるお金・投資についての対談の記録。
プロの投資家の考えが、素人にも分かりやすく、また刺激的な読み物としてまとまっている。
レビュー
この本は生涯投資家=村上世彰氏と、生涯漫画家=西原理恵子氏の共著です。本の最後に「本書は語り下ろしです」の一文がありますが、お二方の数回に渡る対談の内容が対話形式で収録されています。セクションの終わりに西原氏の漫画あり(おもしろい)。
まだ投資をしたことがない人が「投資を始めようかな」と思うきっかけになり得る本です。どの証券会社を選ぼうかとか、どの銘柄を買おうかといった具体的な投資の手続きに進む前の段階の疑問に答えます。西原氏が繰り出す質問がおもしろいので、いくつかピックアップしましょう。
- 株はギャンブルでしょう?
- 投資と呼べるのはいくらぐらいからですか?
- 息子から出てきた素朴な疑問が「みんなが負けると誰が勝つの?」という。
- (村上さんが)たとえば月収30万円の普通のサラリーマンになったら、まず何を始めるのかなって。
- 中国はもうダメなんですか?
- こういう人が投資に向いているっていうの、ありますか?
- ものを作った人は儲からないのに、右から左に動かした人が儲かるのはなんで?
- 村上さんはやっぱり借金はしないほうがいいと思います?
村上氏は村上ファンドを率いて「物言う株主」として活躍した投資家。現在はお金に関する啓蒙活動をされています。
西原氏は『ぼくんち』や『毎日かあさん』といった作品で広く注目を集めるようになった漫画家です。私が最初に開いた西原氏の著作物は『ぼくんち』でした。
刺激的な人生を送ってこられたお二方の対談なので、本の内容も刺激的。「村上さんのほうがえらいことになったじゃないですか。私は補導歴はあるけど逮捕歴はまだないから」なんてセリフが吐けるのは、西原さんだけ。
ギャンブルで合計1億円くらい負けたかも、20億円の借金を完済した、みたいなスケールの大きい話も出てきます。
それから、海千山千の西原氏による、漫画の中のメッセージが胸にしみました。
お金をかせぐということは
自由を手に入れることでした

私自身が投資をしているかといえば、答えはYesです。でも、お金持ちだから投資しているわけではなく、この本の中で村上氏が言っていること(以下)を実践しているシングルマザーです。
(元手が)多くても少なくても一緒です、本当は。たとえば1億円持ってる人が100万円投資するのと、100万円持ってる人が1万円投資するのは、理屈としては一緒ですよね? その積み重ねで高い期待値のところに投資して、タネ銭を稼いでいくのが一番重要なんです。
ただ、本の別の個所で述べていること(以下)は肝に銘じています。
まず生きていくことが大事で、投資はそのあとの話だから。
今は少額(数百円)でもポイントでも投資ができる時代なので、可能な範囲で取り組んでいます。
この本はすでに投資をしている方にも、経験はなくとも興味はある方におすすめいたします。投資のプロの考え方が、素人にも分かりやすく、また読み物としておもしろくまとまっています。ぜひご一読を。
まとめ
生涯投資家=村上世彰氏と、生涯漫画家=西原理恵子氏によるお金・投資についての対談の記録
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