本『わたしの家族はどこかへん?――機能不全家族で育つ・暮らす(10代のセルフケア)』のレビュー

おすすめポイント

★★★★★

「機能不全家族」について分かりやすい解説あり。子供の視点からの情報が得られる。

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レビュー

 これは「どこかへん」な家族、つまり機能不全家庭で育つ10代の若者向けに書かれた本です。

 まず機能不全家族について、分かりやすい解説があります

機能不全家族とは?

 機能不全家族とは、家族のそれぞれが必要としていることに、応えられない家族のことです。

 基本的に必要なのは、「生存(生きること)、安全と安心愛情と帰属感(家族の一員であるという落ち着いた気持ち)、自尊心成長自立して生活するためのスキル(技術)を身につけること」です。これらは心理学者のアブラハム・マズローがあげた大切なポイントです。

 太字は原文に従っています。この太字になった、マズローがあげた大切なポイントそれぞれについて、詳しい説明が続きます。

 取り上げている、機能不全家族のタイプは以下。

  • 情緒的な虐待をする親
  • 育児・養育を放棄する親(ネグレクト)
  • 過保護な親
  • 性的な虐待をする親
  • 完全主義の親
  • 薬物依存症の親
  • 宗教や政治にのめりこむ親
  • 仕事にのめりこむ親(ワーカホリック)
  • 精神的な疾患のある親
  • 身体的な虐待をするきょうだい
  • 障害のある子にかかりきりの親
  • ギャンブルにのめり込む親(強迫的ギャンブル)

 また、その後の「多様な家族構成」という章の中で、親の死や離婚、ステップファミリーもカバーしています。


 子供向けということで、色んな意味で非常に読みやすかったです。難しい漢字にはルビが振られていますし、生々しい表現は抑制されていますし、親を糾弾するようなことは一切書かれていません。それでいてモラ家庭の母親(私)にも、さまざまな気づきを与えてくれた1冊です。

 そもそも「うちって変だよね?」「モラ夫って親としてもおかしいよね?」と、大人の私が確信を持てない時期もありました。その後も「離婚したほうが子供のためなのか?」などと、子供がらみの疑問は尽きませんでした。

 この本には親に向けた記述はありませんが、子供の置かれている状況や立場が子供目線で描かれています。そのため、本の中の状況と、我が子を取り巻く状況とを照らし合わせることで、一定のヒントが得られました。

 モラ家庭・DV家庭で、養育中のお子様がいる方に、一読をお勧めいたします。

わたしの家族はどこかへん?――機能不全家族で育つ・暮らす
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「10代のセルフケア」シリーズ

 この本は全10冊の「10代のセルフケア」シリーズのうちの1冊です。

表紙
なぜ自分を傷つけるの?――リストカット症候群

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デートレイプってなに?――知りあいからの性的暴力

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共依存かもしれない――他人やモノで自分を満たそうとする人たち

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もしかして妊娠――そこからの選択肢

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わたしの家族はどこかへん?――機能不全家族で育つ・暮らす

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傷つけられていませんか?――虐待的な関係を見直す

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PTSDってなに?――トラウマ体験後のケア

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がまんしないで、性的な不快感――セクハラと性別による差別

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眠れない、起きられない――子ども・若者にも広がる睡眠障害

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だいじょうぶ?体でアート――ピアス&タトゥーのリスク

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この記事を見てくださった10代の方へ

 10代で自分の家族が「どこかへん」と思えるなんて、自分の軸がある上に、すばらしい観察力だと思います。毒親本『不幸にする親』でも、次のように述べています。

 子供は、たとえ親から不健康なコントロールをされていても、「うちは何かがおかしい。何か変だ」と認識することはほとんどできないものなのです。そう感じることができないように、幼い頃から親によってコントロールされているからです。そのため、本当は圧迫感を感じたり、感情が麻痺しているのに、そのことをわずかにしか認識できない子供も多いものです。

『不幸にする親――人生を奪われる子供』

 もし誰かに相談することを躊躇ちゅうちょしているとしたら、本は助けになりますか? 自分で本を読むことのほかに、相談する相手にも同じ本を読んでもらえば、説明しがたいことも伝わります。あるいはカウンセラーなど専門家であれば、すでに一通りの有名どころの本を読んでいるかもしれません。

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まとめ

わたしの家族はどこかへん?――機能不全家族で育つ・暮らす
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要約

10代の子供向けの本。機能不全家族について分かりやすく解説。さらに機能不全家族のさまざまなタイプ別に、具体的なエピソードを通じて、10代の子供が取り得る対応を提案している。

評価(お役立ち度)

★★★★★ (子供視点の情報が得られた)

基本情報
  • タイトル:わたしの家族はどこかへん?――機能不全家族で育つ・暮らす(10代のセルフケア)  [Amazon] [レビュー]
  • 著者:レイモンド・M・ジャミオロスキー(カウンセラー・米国)
  • 監訳者:水澤 都加佐
  • 出版社:大月書店
  • 発行日:2006年12月15日
  • ISBN-10:4272405454
  • ISBN-13:978-4272405459

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プロフィール

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 ある日、私は2人の子供を連れて、モラ夫から逃げて別居しました。私自身と子供を守るためです。

 私は年間100冊程度の本を読んでいます。好きなジャンルはファンタジーですが、多読しているのは実用書です。

 このサイトを訪れた方が、少しでも生活を改善したり、気持ちを前向きにしたりする情報を得られたら幸いです。

望木 幸恵

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