絵本『恐竜の離婚――変わっていく家族のために(パパとママが別れたとき……)』のレビュー

本の内容

★★★★☆

親の離婚、非監護親との面会交流、再婚について、子供(小学校 中~高学年)に解説する絵本。物語形式ではなく、子供が抱きがちな不安や疑問に対して、恐竜が登場する絵と簡潔な文章で回答する。

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レビュー

 私はシングルマザーとして、この本を読みました。

 幼い子供向けの離婚本にあるような物語形式ではなく、離婚や面会交流、再婚に際して子供が抱きがちな不安や疑問に、恐竜の絵と簡潔な文章で回答しています。よみものとして1本のストーリーに沿っているわけではないので、広範なケースが対象に含まれます。たとえば、親が離婚するときに子供がいだく感情として、悲しい、腹が立つ、自分を責める、ほっとする、など各種。また登場人物として決まった主人公がいるわけではなく、さまざまな外見の異なる個人(恐竜)が代わる代わる出てきます。

 冒頭で「離婚」「裁判官」「弁護士」「面会交流」「まま親(継親けいしん)」といった関連用語の説明があるのは良いポイントだと思います。作中で、このような難しい漢字が使われていますが、見開きで初出の単語にはルビが振られています。

 絵はカラフルで、漫画のようにコマ割りがしてあります。怒っている親も、泣いている子供も、恐竜の絵だと生々しくなくていいな、と思いました。

 表紙には「おもに小学校中・高学年児童および中学生のために」と対象読者が記載されています。ただ絵本を卒業した子供が読むかはかなり疑問。また非監護親と面会交流することが前提に描かれており、我が家のケースとは状況が違いました。

 なお、出版から年月が経っており、入手は難しいかもしれません。同年代の我が子には、もう少し複雑な事情も扱った『だいじょうぶ!親の離婚』(レビュー)を渡しました。

 その他の子供向けの離婚本については、以下の記事に一覧として掲載しています。ぜひご確認ください。

「パパとママが別れたとき……」シリーズ

 対象年齢別に全3作のシリーズになっています。

表紙絵本
パパ どこにいるの?――離婚のお話

おもに学齢前幼児のために

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おうちが ふたつ

おもに小学校低学年児童のために

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恐竜の離婚――変わっていく家族のために

おもに小学校中・高学年児童および中学生のために

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まとめ

要約

親の離婚、非監護親との面会交流、再婚について、子供(小学校 中・高学年)に解説する絵本。物語形式ではなく、子供が抱きがちな不安や疑問に対して、恐竜が登場する絵と簡潔な文章で回答する。

評価(お役立ち度)

★★★★☆ (絵本の内容はすばらしいが、我が家の状況に合わなかった)

基本情報
  • タイトル:恐竜の離婚――変わっていく家族のために(パパとママが別れたとき……)
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  • 作者:ローリーン・クラスニー・ブラウン(文)、マーク・ブラウン(絵)
  • 訳者:日野 智恵、日野 健
  • 出版社:明石書店
  • 発行日:2006年9月1日
  • ISBN-10:4750323942
  • ISBN-13:978-4750323947
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 ある日、私は2人の子供を連れて、モラ夫から逃げて別居しました。私自身と子供を守るためです。

 私は年間100冊程度の本を読んでいます。好きなジャンルはファンタジーですが、多読しているのは実用書です。

 このサイトを訪れた方が、少しでも生活を改善したり、気持ちを前向きにしたりする情報を得られたら幸いです。

望木 幸恵

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