子供を中心に据えて離婚について解説。DV家庭に関する記述も随所にあり。
レビュー
離婚に関する本は山のようにありますが、この本は「子供」に重点を置いています。
タイトルにあるとおり、養育中の子供がいて離婚するかどうか悩んでいる方にドンピシャの内容です。「第1章 子連れ離婚の前に考えておきたいこと」で、検討材料が網羅的に挙げられています。また、別居・離婚後の目の前の生活に必要な情報が満載で、今後の生活をイメージするのにも役立ちます。幼稚園・保育園・小学校の転園・転校、教育費、面会交流、養育費などを取り上げています。子供に尋ねられそうな質問も提示。
離婚調停や離婚手続きについても一通り触れており、別居後や離婚成立後にも手引きのように利用できます。
他の本と違うのは、11歳から31歳までの離婚家庭で育った子供4人にインタビューした内容が載っている点です。それぞれの子供が置かれている状況も、子供の声も多様。すべての子供にとって「二親が揃っているほうが幸せ」「被監護親と面会交流をしたほうが幸せ」という神話・固定概念を覆すものもあります(以下、太字部分は私が強調)。
ご両親の離婚を経験したのは11歳の頃。小さなときからお母さんと隆さんに暴力を振るう父親でした。(略)お父さんの浮気が原因で離婚することになったときには「お父さんが家からいなくなればお母さんもボクも楽になれる」と感じ、悲しいという感情はなかったと言います。
「(略)離婚家庭の子どもがみんな、別れた親に会いたいと思っているわけじゃないと思うよ」
著者は3度の離婚経験があり、家族問題のカウンセラーでもあります。離婚して、離婚に一家言お持ちになった方が記した本が溢れていますが(特にKindle本)、この本は多数の離婚のケースに裏打ちされています。
初版は2006年に発行されました。最新版は12年後の2018年に改訂された第2版です。離婚制度や支援制度、相談先などがアップデートされています。
養育中のお子様がいて、離婚が頭をよぎる全ての方におすすめいたします。
まとめ
子連れ離前の考慮ポイント、離婚の種類と手続き、親権・養育費・面会交流、経済面、支援制度、子供や親の心理面を網羅的に解説。
★★★★★ (別居後に子供に尋ねられそうなことについて、回答を準備できた)
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