本『「勉強しなさい!」エスカレートすれば教育虐待――中学受験させる親 必読!』のレビュー

おすすめポイント

★★★★☆

中学受験を目的とした教育虐待について、エピソードや解決方法を紹介。教育虐待について親に尋ねた実態調査の結果も掲載。

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レビュー

 この本は主に中学受験を控える子供を持つ親に対して、教育虐待に陥っていないか警鐘を鳴らすものです(表紙の画像から「中学受験させる親 必読!」というコピーが見て取れます)。4コマ漫画や挿絵を挟み、ピンクの差し色を使って現代風に装飾され、非常に読みやすい仕上がりになっています。ちょっと前の、文章の羅列で構成されている、厚みのある本とは違います。

 内容としても社会の中での実態を知るのに役立ちます。たとえば、この本の編者 日経DUAL(Webメディア)が行った実態調査の結果や、実際のエピソードがそこそこのボリュームでまとまっています

 「教育虐待」という用語については、「はじめに」で以下の説明があります(太字は原文のとおり)。

 子どもの幸せを願わない親はいません。(略)

 ですが、度を越した態度で子どもに勉強を強制したり、子ども自身の意思を無視して、わが子の学力に見合わないほど偏差値の高い学校に進学するよう強制したりと、親の行動がエスカレートしてしまうと、子どもの自己肯定感は大きく下がります。そして、生涯にわたって暗い影を落とすほどの弊害を招いてしまう可能性があることが知られるようになってきました。

 そうした不適切な親の行動は「教育虐待」と呼ばれます。

 なお、社会の中に存在する教育虐待のネタは中学受験に限らず、習い事や幼児教育にも及びます。この本に掲載されている調査結果によれば、1位は「習い事」で40.7%、中学受験は2位の37%です。「就学前の学習(簡単な文字や計算、時計の読み方など)」と「塾の宿題」が同率の18.5%で3位になっています。

 情報を得る分にはこの本はよいですが、個々の家庭で解決につなげられるかというと、シビアなケースでは難しいでしょう。教育虐待から抜け出す方法として、「短時間の夫婦ミーティングを習慣にする」「横のつながりが縦への虐待を防ぐ」などと提示されていますが、我が夫婦(元)を顧みて「少なくとも夫婦間で冷静に会話できる家庭でないと無理だ」と思いました。

私

 うちのモラ夫も中学合格を合言葉に、子供に長時間の勉強を強いていました。

 ただ子供のためというより、子供を囲い込みたいという自分の都合のためであることが透けてみえました。子供が自力で合格することではなく、父子の二人三脚で合格することを望んでいました。モラ夫の言い分を聞くたび、私の頭には「おためごかし」という単語が浮かびました。

 虐待を「しつけのため」と言う親がいることが認知されるようになって、「教育のため」と言い訳を変えただけのように思います。あるいは「しつけのため」より、「教育のため」のほうが高尚っぽいから?

 我が家のことはさて置き、夫婦間で会話が持てたり、あるいは自分が教育虐待をしているんじゃないかと疑問を持てたりする状況であれば、この本で救いが見いだせます。そうでなくても、教育虐待についてまとまった情報を得られます。気になる方はぜひご一読ください。

 また、勉強関連の教育虐待の中でも深刻なケースを扱った本には、以下があります。ぜひレビューをご覧ください。

まとめ

要約

中学受験を目的とした教育虐待について、実態やエピソード、解決方法を紹介。

評価(お役立ち度)

★★★★☆ (我が家の状況にマッチしない部分があったため、星ひとつ減。ただ、ぴったりマッチする人もいると思います)

基本情報
  • タイトル:「勉強しなさい!」エスカレートすれば教育虐待  [Amazon] [楽天] [レビュー]
  • 編集:日経DUAL
  • 出版社:日経BP
  • 発行日:2019年11月25日

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プロフィール

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 ある日、私は2人の子供を連れて、モラ夫から逃げて別居しました。私自身と子供を守るためです。

 私は年間100冊程度の本を読んでいます。好きなジャンルはファンタジーですが、多読しているのは実用書です。

 このサイトを訪れた方が、少しでも生活を改善したり、気持ちを前向きにしたりする情報を得られたら幸いです。

望木 幸恵

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