★★★★☆
誰にでもピンとくる一節があるはず
レビュー
本のあらすじ・位置づけ
この本では、日々感じる悩みに向き合う際の思考法を説いています。目次は次のとおり。
- はじめに
- 第1章 反応する前に「まず、理解する」
- 第2章 良し悪しを「判断」しない
- 第3章 マイナスの感情で「損しない」
- 第4章 他人の目から「自由になる」
- 第5章 「正しく」競争する
- 最終章 考える「基準」を持つ
タイトルに「ブッダ」という言葉が入っていますが、主題は宗教ではありません。ましてや、アヤシげな宗教の本なんかとはまるで別物。原始仏教の教えを、現代人に分かりやすく説いています。「原始仏教」についての説明を本から引用します(太字は原文ママ)。
原始仏教とは、二五〇〇年以上前のインドでブッダが説いていた、最も古い教えのこと。(略)
原始仏教には、多くの人が「仏教」という言葉から連想するような“宗教”的な内容とはまったく異なる、実用的で、合理的な、現代にも使える「考え方」があふれています。
最近「反応しない」「気にしない」「反省しない」系の本をチラホラ目にしますが、この本での「反応しない」の定義は以下。
勘違いされやすいのですが、反応しないことは、無理してガマンすることや、無視すること、無関心でいることではありません。悩みを増やしてしまうようなムダな反応を“最初からしない”こと。怒りや、不安や、「どうせ自分なんて」と暗い気分が出てきたら、すばやくリセット・解消することです。
著者は僧侶ですが、特定の宗派に属さず、布教活動というより、生き方を伝える活動をしている模様です。
感想等
新刊本ではないのですが、Kindle(Amazonの電子書籍)でベストセラーにランクインしていたのと、タイトルに惹かれて、手に取りました。
自分の気持ちが楽になる考え方が説明されています。大昔の人々も同じような悩み方をしていたんだなあ、と。
ただ、どの時代の誰にでも当てはまることが、大局的に描かれているので、本の内容を自分の生活に活かすにはワンステップ必要です。つまり、自分の置かれた状況と照らし合わせて、考えます。具体的に家庭内のモラハラやDVに悩んでいるとか、悩みのネタがはっきりしていたら、その分野の「専門書」と併せて読むとより効果的だと思います。
そうは言っても、読み進めている中でピンとくる一節も散見しました。文化的に馴染みやすいことが書かれています。ぜひご一読ください。
まとめ
「原始仏教」の教えを元に、日々感じる悩みに向き合う際の思考法を説く
★★★★☆ (ピンとくる部分と、自分の状況に落とし込んで考える部分がある)
コメント