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10代の若者に向けた、家族・友達・恋人の関係の中で行われる心理的虐待・身体的虐待・性的虐待に関する指南書。
DV(ドメスティック・バイオレンス)、虐待、いじめ、デートDV、ストーカーなどに悩む方へ。対処法が分かる。
レビュー
本の位置づけ・あらすじ
「10代のセルフケア」シリーズの中の1冊です。心理的虐待・身体的虐待・性的虐待の3つを取り上げて、その内容や影響を解説しています。家族・友達・恋人の関係の中で行われる虐待の内容や対処法を提示。実際のエピソードは少な目です。
若者向けの本なので、分かりやすく丁寧に書かれています。また著者が米国のライターであるため、アメリカの統計情報(多数掲載)や相談先が載っていますが、適宜、日本の情報が付記されています。
感想等
元モラ夫持ちのシングルマザーの私が気になったのは、友達や恋人との関わりであっても、家庭での虐待の影響を免れない点。
「人を満足させなければいけない」と思うのは、虐待のある家で育ったことの影響のひとつである「共依存的な行動」なのだとおぼえておいてください。
「4ー友達との関係を見なおす」
カウンセリングや自助グループ、地域やその他の組織からの援助、外部からの介入なしでは、家で虐待を受けてきた人は、虐待的な(またはその可能性のある)パートナーや友だちを選び、家庭で見たり経験した虐待のパターンをくり返す可能性が、とても高いのです。
「6―デートでの問題」
私は子連れ別居の意思を固めた後に、この本を読んだのですが、その意思がより強固になりました。
また子供のために読み始めたのですが、以前の自分にも当てはまる記述が結構あり、びっくり。
自分が虐待されている、と認めることは大きな一歩です。そこから、適切な行動が始まるのです。
これは難しいです。私は自分がモラ夫の攻撃を浴びているときは気づきもせず、モラ夫の矛先が子供に向いて初めて、ヤツがおかしいと目が覚めました。気づいてもなお、今でさえ、子供はともかく自分が被害者だと認めるのには抵抗感があります。
また、恋人からの虐待(デートDV)を取り上げた章では、かつてのモラ夫(当時モラ彼)とのやり取りを思い出しました。
子供向けの本ですが、モラ家庭において、子供への影響、あるいはご自身への影響を知りたい大人の方はぜひご一読を。
「10代のセルフケア」シリーズ
表紙 | 本 |
---|---|
![]() | なぜ自分を傷つけるの?――リストカット症候群 [Amazon |
![]() | デートレイプってなに?――知りあいからの性的暴力 [Amazon |
![]() | 共依存かもしれない――他人やモノで自分を満たそうとする人たち [Amazon |
![]() | もしかして妊娠――そこからの選択肢 [Amazon |
![]() | わたしの家族はどこかへん?――機能不全家族で育つ・暮らす [Amazon |
![]() | 傷つけられていませんか?――虐待的な関係を見直す [Amazon |
![]() | PTSDってなに?――トラウマ体験後のケア [Amazon |
![]() | がまんしないで、性的な不快感――セクハラと性別による差別 [Amazon |
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まとめ
心理的虐待・身体的虐待・性的虐待の3つについて、家族・友達・恋人の関係の中で行われるものを取り上げて、その内容や対処法を提示。「虐待されて当然、なんて人はどこにもいない」
★★★★★ (母親の立場で読み、子連れ別居の決意がより固くなった)
- タイトル:傷つけられていませんか?――虐待的な関係を見直す(10代のセルフケア)
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- 著者:カーリーン・コブ(フリーライター・アメリカ)
- 監訳者:水澤 都加佐、水澤 寧子
HRI水澤都加佐カウンセリングオフィス - 出版社:大月書店
- 発行日:2008年5月20日
- ISBN-10:4272405462
- ISBN-13:978-4272405466
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