★★★★★
モラハラの被害に気づいたばかりのモラ初心者ではなく、ベテラン(?)のモラ被害者向けの書。別居・離婚をした方にも、加害者との共存を継続した方にも、モラハラ攻撃で受けた心の傷の処し方が分かります。
モラハラ家庭で育つ子供については、1章を割いて解説。
レビュー
これはモラハラ本ですが、対象読者がちょっと特殊です。重点を置いて論じているのは、モラハラ環境でしばらく生きてきた後のフェーズ。たとえば別居した後のほうが精神的につらいと感じる方や、同居継続を決意したもののやはり苦しいと思う方にドンピシャの内容です。関連する部分を引用します。
モラハラというものの存在を知ろう。モラハラという攻撃から離れよう。これまで出されてきたモラハラ関連の書籍ではそうした内容がメインに書かれてきました。
本書では、モラハラ被害後に誰しも経験する、被害者としての心のうずきに焦点を当てています。(略)心のケアを実践していただくために。
目次は次のとおり。
- はじめに
- 序章 身近にあふれるモラルハラスメント
- 1章 モラハラへの気づき
- 2章 モラハラ被害を生きる
- 3章 家族関係のなかのモラルハラスメント
- 4章 被害者をやめていくために
- あとがき
なおモラ家庭で育つ子供について、3章でしっかりと解説があります。被害親と子供との間に生じる問題が挙げられています。
最終の第4章は「被害者をやめていくために」と題されています。著者の谷本 恵美氏は、もはやモラハラには囚われずに「自分の人生を、生きたもの勝ち」という考えを提示されています。
モラハラに関するサイトを運営している私が言うのもおかしな話ですが、私はこのコンセプトが大好きです。考え方に惹かれて、私は著者の本をすべて読みました(全3冊)。
前を向くヒントが得られるので、ぜひご一読ください。
まとめ
序章で夫婦間、親子間、恋人間、上司・部下の間など、さまざまな関係におけるモラハラについて解説。続いてモラハラに気づいた時期や、その後のモラハラと付き合っている時期における心理状態や問題点、子供について解説したのち、心の持ちようについて提示。
★★★★★ (前向きな気持ちになれる)
コメント