
モラ夫が長女を束縛、長男は無視。私がモラ夫に何かを言ったりやったりすると、その報いを子供が受けるハメになる。どうしたらいい?

父親がDV加害者のときに、母親が何をできるかに焦点を合わせた本を1冊だけ見つけた。
あとはDV家庭に置かれた子供(小学生)に向けた本と、学校の先生など子供と関わりがある人に向けた本の中にヒントがあった。
その3冊を紹介するよ。
おすすめの3冊
最初の2冊は父親がDV加害者であることを前提に書かれた本です。
DV家庭の母親に向けた本
まずは『DV・虐待にさらされた子どものトラウマを癒す――お母さんと支援者のためのガイド』を挙げます。
タイトルにある「虐待」「トラウマ」という単語から過激に感じるかもしれませんが、事件になるような凄惨なケースだけを対象にしているわけではなく、ありがちなDV(?)を多く取り上げています。2006年に発行されており、本の装丁は一昔前風ですが、内容はまったく古びていません。
具体的なエピソードなど、読むのがつらいパートもありますが、全編を通じて子供だけでなく母親を支援するトーンに満ちています。「あなたはすでに多くのことを子どもにしてきている」「あなたがいることで子どもの生活に大きな違いをもたらしている」との励ましがあります。その上で、この本のサポート方法について次のように表しています。
あなたが子どもを助けるためにすでに使っている対処法の多くは、理にかなったものです。あなたが目新しい異なることにとりかかるより、取るべき道の選択を広げ、まわりの地域からもっと支えを得て、子どもとともに新たな試みができたらと思います。弱点、あるいは(パートナーから)弱点だと言われていることを指摘するのではなく、あなたが母親としてすでに持っている力を強め築き上げていくことです。
よろしかったら、この本のレビューをご覧ください。
ただ本が入手できない、というご連絡もありました。そのような場合には、以下の2冊をご確認ください。
DV家庭の子供に向けた本
2冊目は『新版 虐待とDVのなかにいる子どもたちへ――ひとりぼっちじゃないよ』です。
父親(または母親の恋人)が母親を攻撃するのを目撃したり、または自分自身が攻撃されている子供(小学生くらい)に向けて書かれた本です。
この本は、子供に勇気を出して誰かに相談することを勧めています。先生や、友達の両親、親類など身近な大人や、行政・警察の相談窓口も挙げられていますが、中でも母親に言及している箇所が多いです。
いまのあなたの気もちを、おかあさんに話してごらん。
もし、おかあさんが、わからないって言ったら、
「わたしの気もち」というページを見せてあげて。
「おかあさんの気もちを聞いてくれる人がいるよ」って
言ってみてごらん。
この本を読めば、子供がしてほしいこと(けれど言えない)や相談先が分かります。また、子供向けなので、簡単に読めて理解しやすいところがいいです。
よろしかったらレビュー記事もご覧ください。
子供の周りの大人に向けて書かれた本
最近(2020年9月)発行された『子どものトラウマがよくわかる本』(レビュー)を3冊目に挙げます。学校の先生・地域の医者など子供の周りにいる大人に向けて書かれています。子供の話を聞き、子供をケアをするのに役立つ情報が得られます。
『DV・虐待にさらされた子どものトラウマを癒す』のような母親に語りかけるような文体ではありませんが、知識を得ることはできます。なお『子どものトラウマが~』の参考文献には、『DV・虐待にさらされた~』が挙がっています。
調査データ
『男女間における暴力に関する調査報告書(平成29年度調査)』(レビュー)より、DV家庭における子供の被害経験について調査結果を引用します。配偶者から被害を受けたことがある人(子持ち)に対して、18歳になるまでの間に子供が配偶者からどのような仕打ちを受けたかを尋ねたものです。

- 心理的虐待:例えば、言葉による脅し、無視、兄弟姉妹間での差別的扱い、子供の目の前で家族に対して暴力をふるう、兄弟姉妹に虐待行為を行うなど(モラハラ)
- 身体的虐待:例えば、なぐる、ける、叩く、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞める、縄などにより一室に拘束する、長時間外に放置するなど
- ネグレクト:例えば、家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かないなど
- 性的虐待:例えば、子供への性行為、性的行為を見せる、性器を触る又は触らせる、児童ポルノの被写体にするなど
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