
ヤツは治る? 変わる?

病気じゃないから「治る」ことはない。「変わる」には、まずは自分が変わろうと思わないと……。
DVの加害者について書いた本を紹介するね。
DV夫・モラハラ夫は変わる?
「DVはなおる」と言い切っているヤバめの本(レビュー)もあるのですが、大多数は変わる可能性はゼロではないが非常に小さい、と述べています。そして、変わるために不可欠な要素は次の2つで、双方とも継続的に必要です。
- 本人(攻撃者)の変わろうとする意識
- 専門家の支援
DV夫・モラ夫がいつか自然と変わることもなければ、パートナー(妻)が変えることもできません。
いくつかの本から引用します。まずはDV加害者専門の男性カウンセラー(米国)は、著書『DV・虐待にさらされた子どものトラウマを癒す――お母さんと支援者のためのガイド』にて、次のように述べています。
自分が虐待していることを認め、自らの行動に全責任を負うことを決意しない限り、虐待する男性が変わることはできません。
続いて、以下は女性のDV被害者をクライアントに持つ女性カウンセラー(日本)の言です。『カウンセラーが語るモラルハラスメント――人生を自分の手に取りもどすためにできること』から抜粋しました。
「人は決して変わらない」と言い切ることはできません。私は、人は変わることができる生き物だと信じているひとりです。しかし、変わろうとしない人、変わりたくない人は変わらない。変化は、それを望む人に訪れるもの。モラハラの加害者は、変わろうとはしません。変化を望みません。
最後に、『愛を言い訳にする人たち――DV加害男性700人の告白』から2か所引用します。男性のDV加害者を相手に教育プログラムを実施する団体の代表(日本)が、実際に加害男性と接した経験に基づいて著した書籍です。
私はこの仕事を14年してきて、変わらない人たちだけでなく、真剣に変わろうと努力する人たちを見てきました。真に変わり切る人は少ないけれど、参加し続ける人は少しずつ変わっていきます。自分を変えるための第1歩は、自分がしていたことがDVであると気づくことです。自分が「何を」「どのように」「なぜ」したかに気づかなければ、やめようがありません。
変わろうとしても彼1人では変われないし、あなたが彼を変えることもできません。あなたにできることは、「変わらなければならない」と彼に危機感を抱かせることです。危機感から、変わるために1歩を踏み出す加害者には変わる可能性があります。
なお、変わりやすいモラハラ夫・DV夫はどういう人かについて、以下の記事で紹介しています。
良い方向へは変わることがない、危険なタイプについては以下。
おすすめの1冊
DV夫が変わるかどうかを深く知りたいのであれば、『愛を言い訳にする人たち――DV加害男性700人の告白』(レビュー)をおすすめします。DV夫を変えるための教育プログラムを実施している方が書いています。
具体的な例や数値を挙げて、何をきっかけにDV加害者向けプログラムに参加するのか、どれくらいの方が続けられるのか、変わるのはどのような人かが分かります。
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