
普通の夫へと変わるDV夫・モラ夫なんているの? どういう人?

多数のDV加害者と関わってきた方が、変わった人の共通点を明らかにしているよ。紹介するね。
変わるDV夫とは
この記事では、DV加害者プログラムを受けた人の中から、変化した人に見られる共通点を挙げます。そうしたプログラムのファシリテーター(司会者)やカウンセラーの著書からの抜粋です。
なお、専門家の支援を受けずに、DV夫・モラ夫が自然と変わる、あるいは妻がDV夫・モラ夫を変えることはできません。この点については以下の記事をご参照ください。
変わった人によく見られる共通点を大別すると、DV加害者本人に関するものと、本人を取り巻く環境に関するものの2種類があります。
- 加害者本人の共通点
- 他のDV加害者と比べて自己中心性が強くない(ライトなDV夫)
- (ちゃんとした)加害者プログラムに、長く参加し続ける
- 環境的な共通点
- 加害者の周りに、DV・虐待を否定する友人・親戚などがいる
- 被害者が周りの人のサポートや、法的な支援を受けている
また加害者プログラムへの参加者数は少ないものの、「若さ」に希望を感じる記述もありました。
詳細については本の記述を引用します。
しかし、長続きする根源的な変化をみせるDV加害者には、次のような共通点がよくみられます。
『DV・虐待加害者の実体を知る――あなた自身の人生を取り戻すためのガイド』
- 彼の親しい友人や親戚が、彼が虐待をしていることに気づき、それを何とかするように彼に言う場合です。彼らはDV加害者ではなくて被害者をサポートします。(略)
- 彼が他のDV加害者たちほど自己中心性が強くない場合です。そういう人は他の加害者たちより早く、相手の女性に与えてしまった痛みに共感するようになります。(略)
- DV被害者が、友人や親戚や彼女が関わる宗教関係者から、また彼女が求めれば法制度から、全面的ではっきりしたサポートを得ている場合です。(略)加害者が彼女を完全に尊重するようになるまでは戻らないと、彼女がより安心して感じられるようになります。
- 彼が質の高いDV加害者プログラムに参加して2年ぐらい続ける場合です。
私はこの仕事を14年してきて、変わらない人たちだけでなく、真剣に変わろうと努力する人たちを見てきました。真に変わり切る人は少ないけれど、参加し続ける人は少しずつ変わっていきます。
『愛を言い訳にする人たち――DV加害男性700人の告白』
若い人ほど気づいて決意したら大きく変われるのではないかと思いました。
『愛を言い訳にする人たち――DV加害男性700人の告白』
以上は、著者らが実地で感じた共通点をまとめたものです。統計的な手法を使って導き出した結果ではありませんが、私は直感的に納得できました。
ただし、これらの要素が当てはまるからといって、DV加害者が必ずしも脱暴力へと変わり切るわけではありません。また当てはまらなかったら、絶対に変化できないと、断言しているわけでもないです。あくまでも傾向として捉えて頂ければ、と思います。
もしDV加害者について深く知りたいのであれば、ここで挙げた2冊ともおすすめです。ぜひご一読ください。
まとめ
- 変わることができたDV加害者に、よく見られる共通点がある
- 自己中心性が他の加害者より低め
- 周りにDVを否定する人がいる、など
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