神話・誤解
子供はパパとママに仲良くしてほしい。
真実
両親の不和が極まると、子供だって仲直りを希望するばかりではない。
夫婦仲が良好な家庭って理想的ですよね。
でも私自身がモラハラ夫(離婚済み)と同居していた頃、ヤツと仲良くとか、鼻で笑っちゃう感じでした。モラ夫のほうも、子供の前でもお構いなしに、私に対する嫌悪感をまき散らし……。そんな険悪な雰囲気に支配されていても、子供は普通の家庭と同様に両親に仲よくしてほしいものなのか?
こんな疑問への回答が見つかる報告書(レビュー記事)があります。
この調査では、子供の頃に両親が離婚した20代・30代の男女1000名が、別居の直前から成人に至るまでの気持ちや生活について答えました。
この報告書から、関連する統計データをご紹介します。
統計データ
あなたは、父母が別居を開始する前に、父母が不仲になっていることについて、どのように感じていましたか――この質問に対する回答結果を紹介します。
注意する点として、普通の家庭ではなく、離婚寸前の、たぶん荒れた家庭の子供が対象です。ちょっと夫婦ゲンカすることもある、くらいの普通の両親を持つ子供は、そもそも調査対象に含まれていません。回答権があっても、父母が不仲になっていることを認識していなかった人は回答していません。
あなたは、父母が別居を開始する前に、父母が不仲になっていることについて、どのように感じていましたか。
(複数回答)


「仲直りしてほしい」がトップの30.4%です。ここをもっと詳しく見ていきましょう。
この記事では、上の回答の中から「仲直りしてほしい」と「早く離婚・別居してほしい」に注目します。つまり、ケンカの果てに「仲直り」と「絶交」のどちらを望むか、ですね。
まずは年齢層別に回答者の割合を示します。
年齢層別
【摘要】
■ 仲直りしてほしい
■ 早く離婚・別居してほしい


「仲直りをしてほしい」の割合が、小学生から中学生になるタイミングで20%台から30%台へ、10%ほど下落しています。
もう一方の「早く離婚・別居してほしい」の割合は、年齢が上がるにつれて徐々に増加。3歳未満では0%だったものが、19歳になると38.5%に達しています。
小学生までは「仲直りをしてほしい」が優勢でしたが、中学生以降は「早く離婚・別居してほしい」が上回ります。
また、別居後の面会交流の有無によって、回答がどのように変わるのかも見てみましょう。
別居後の面会交流の有無による違い
【摘要】
■ 仲直りしてほしい
■ 早く離婚・別居してほしい


別居親と手紙のやり取りなど間接的な交流もなかった子供の回答は、「早く離婚・別居してほしい」(32.7%)が「仲直りしてほしい」(17.9%)を上回ります。別居親と直接会っていた子供たちについては「仲直りしてほしい」(37.7%)が「早く離婚・別居してほしい」(14.8%)より優勢です。
つまり、別居直前に「仲直りしてほしい」と思っていた子供のほうが、その後の面会交流の濃度が高いことが分かります。逆に「早く離婚・別居してほしい」と思っていた子供は、別居親との交流がより希薄な傾向です。
私の考え・我が家のコト
読者のみなさまは統計データをどのように受け止めましたか?
私は「だよね~」という感じです。おおむね私の想像・直感に沿ったものでした。一般論として「仲良きことは美しき哉」なのですが、それが現実的でなければ、子供だって諦めると思うんですよ。夫婦ゲンカの当事者ではない分、子供のほうがクールに考えているかもしれません。
年齢的な傾向として、幼いほうが「離婚・別居」よりも「仲良く」を希望するのは当然でしょうね。年端もいかない子供だったら、そもそも離婚・別居という制度があることを知らないかもしれないし、それに加えて情緒的にもより庇護者を必要としますしね。
「仲良く」を望んでいた子供のほうが別居後の面会交流が盛んなことは、父母の険悪具合が関係しているのでは、と勝手に推測しています。同じく離婚に至る夫婦であっても、家庭の荒れ具合がまだマシな場合から、今すぐ家を出ねばならないほど危険なケースまであります。まだマシな家庭のほうが、子供が「仲直りをしてほしい」と望み、別居後の面会交流もしやすいはず。
意外だったのは、年齢を重ねたときに、「早く離婚・別居してほしい」がどんどん増えるのと比べて、「仲直りをしてほしい」の減り幅が小さいこと。仲直りを望む子供って、両親の双方が好きなんだと思うんですよ。普通、自分が好ましいと思っている人同士がいがみ合っていたら、仲良くしてほしいな、って願いますよね。片方が嫌いだったら、そんなこと期待しませんけど。
色々と物事が分かってきても、やっぱり父母の関係の修復を望む子供の心が切ない……。
まあ、ウチの子供たち(一男一女)は「両親に仲直りしてほしい」なんて、露ほども思っていなかったはず。だって、モラ夫のことが怖くてたまらなかったですから。
一方で「早く離婚・別居してほしい」とも思わず。モラ夫は子供の前でもお構いなしに、しょっちゅう私に「離婚だ!」とか叫んでいたのですが、別居(昼逃げ)を敢行したあとに、「リコンって何?」って子供に聞かれました。
「親の問題には関わりたくない」「何が起こっているのかわからなかった」あたりが、我が子の気持ちじゃないかなあ。
我が子が大人になったら、いつか私の離婚にまつわる思いを聞きたいと思っています。今はまだ生々しくて聞けないけど。
まとめ
- 父母が別居を開始する前に、父母が不仲になっていることについて、
- 仲直りしてほしい……30.4%
- 家族がバラバラになってしまう……24.3%
- 早く離婚・別居してほしい……20.0%
- 小学生までの年齢層では「仲直りをしてほしい」が「早く離婚・別居してほしい」より優勢。中学生以降は逆転
- 別居直前に「仲直りしてほしい」と思っていた子供のほうが、その後の面会交流の濃度が高い。逆に「早く離婚・別居してほしい」と思っていた子供のほうが、別居親との交流が希薄
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