子供は親に愛情や感謝の念を抱いている? そうすべき?

神話・誤解

子供は親に愛情や感謝の念を抱いている。そうするべき。

真実

親自身のせいで、親に愛情を持てない子供もいる。

そういう子供にとっては、一般的な道徳規範の押しつけは障害になる。

 私自身の反省の意を込めて、この記事を書きます。

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本の教え

 子供は親のことが好き。子供は親に感謝しなくてはならない。――この言説は多くの人に当てはまり、その道徳心を満たします。

 しかし、このド正論を信奉する周囲の人に苦しめられる子供もいる、と数々の本に書いてあります。「周囲の人」には毒親本人も含みます。道徳を持ち出して、子供をコントロールしようとするのです。

 その例を、まずは『毒親の棄て方――娘のための自信回復マニュアル』からピックアップします。

 愛情のない母親を持つことの苦痛と戦うのは、ひとりぼっちの孤独な作業だ。そこそこ健全な母親を持っている人々は、すべての母親が自分の母みたいだとは限らないという事実を理解できない。したがって、善意の友人や親戚ですら、愛されない娘の苦しみを軽視し、同情を求める娘を非難することはよくある。

 続いて『自分に気づく心理学』(レビュー)の「にせの道徳や規範にしばられることはない」というセクションから、2か所引用します。

 三十九度の熱を出してねている人に、健康のためにジョギングしたらどうかとか、泳ぐと気持ちがいいぞ、少し泳いでこいよとかすすめることはない。つまり肉体的に病んでいる時、それをなおすためには健康な人と同じことをしてはならないと知っている。
 しかし心の病んだ人に対しては、この誤りを多くの人はおかす。(略)
 親や同胞を憎むなどということは、心の健康な人にとってはとんでもないことである。(略)しかし心の健康な人達は、心の病んだ人達が親同胞からどのような侮辱、どのような辱め、どのような傷を受けたかということは想像できない。(略)
 残念ながら、そのなかでひとつの道徳や規範で人間をしばるから、心の病んだ人はいつまでもたちなおれないのである。

 心の健康な人達の間の道徳や規範は、時に、心の病んだ人達の間の搾取を正当化する理論となる。卑怯な人間は道徳や規範を持ちだして弱い人間から心身ともに搾取する。つまり反抗を封じるのに道徳ほど都合のよいものはない。

 では、どうしたらいいのか? 毒親に苦しめられた当事者であるなら、『自分に気づく心理学』の以下のアドバイスが参考になるでしょう。

 偽りの罪悪感に負けてはならない。罪とか良心の問題ではない。事実の問題なのである。事実としてあなたは心の底に近い人に対して敵意を持っているなら、それを意識することがよいと言っているだけである。ついでに卑怯な人間は近い人から搾取するということも覚えておくことである。

 私自身(母親)の経験でいえば「私にとっては最悪のくっそモラハラ夫でも、小学生と保育園児の子供二人は父親のことが好き」なのかと思っていました。他の道徳規範にも照らして、少なくとも当初は、私自身がモラハラ夫のことを嫌っている素振りを、子供に見せないように努力をしていました。

 子供からは、母親は父親のことを好きなように見えたかも。そうしたら、子供だって父親に対するネガティブな感情があったとしても、母親である私には見せませんよね。それどころか、自分の感情を否定するという苦しい状況だったかも……。

 そんなふうに、母子間で互いに気持ちと裏腹な行動をエスカレートさせていました。

 その状況を打破できたのは、当時、定期的に訪れていた児童家庭支援センターの相談員のおかげです。子供に対して、モラハラ夫の悪しき行動は否定する、ただし人格否定はしない、という主旨のアドバイスを受けました。詳しくは相談体験の記事をご覧ください。

 別居・離婚を経た今となっては、遅ればせながら、黒いものを白だと見せかけるのは不健全だったと思っています。黒かったら黒いって言ったほうが良かった。

 私は別居を敢行して、もう父親(私にとってはモラハラ夫)と暮らしたくない旨、子供たちに伝えました。さらにしばらく経ってからやっと我が子は父親に対する悪感情を示せるようになりました。

 マンガ『自分を好きになりたい。 自己肯定感を上げるためにやってみたこと』(レビュー)では、「お母さんを大切にしてあげてよ~」と言われたことに対して、著者(のインナーチャイルド)が心情を吐露しています。

どうして
ひどいことされた私が
親孝行しなきゃいけないの?

許さないといけないの?

お母さんを許せない私は
悪い子なの!?

 我が子に置き換えると、毒父に対してこんなふうに言語化できるほうが健全だ、と私は思います。


 なお、モラハラ関連のブログや体験談を読むと、モラハラ父(モラハラ母)の正体を、母親(父親)よりも先に子供が見抜いている家庭もあるようです。私はそのような子供達にただただ感嘆しています。そんなことができるなんて、観察力・洞察力に富み、自分で考える力に優れているに違いない。

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まとめ

まとめ

親自身のせいで、親に愛情を持てない子供もいる。
そういう子供にとっては、一般的な道徳規範の押しつけは障害になる。

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 ある日、私は2人の子供を連れて、モラ夫から逃げて別居しました。私自身と子供を守るためです。

 私は年間100冊程度の本を読んでいます。好きなジャンルはファンタジーですが、多読しているのは実用書です。

 このサイトを訪れた方が、少しでも生活を改善したり、気持ちを前向きにしたりする情報を得られたら幸いです。

望木 幸恵

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