家裁調査官がウチにやってきた!――調査官調査の体験談(その2)

 子供(未成年)がいる夫婦の離婚調停で親権で揉めると、父母のどちらが子供の養育にふさわしいか、調査が行われます。また面会交流の有無や頻度が争点になった場合も同様です。

 その調査官調査の体験談をいくつかの記事にまとめました(以下)。この記事は「その2」です。

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体験談

 調査官調査の日は快晴でした。日が差して家の中が明るく、「調査官の印象が良くなるな」と思ったことを覚えています。

 自宅には私、母(別居、監護補助者として同席)、保育園から早退した長男の3人がいて、調査官の到着を待っていました。

 私が感じていたのは怒りです。離婚調停の当初から、モラ夫との親権争いで絶対的に有利な私。法的に必要なために、調査官調査は応じてやっている(渋々)、という気持ちが拭えませんでした。

 そして家裁調査官の到着を楽しみにする長男! 我が家の客人は大抵いっしょに遊んでくれるため、期待を膨らませていました

 母は少し緊張しているような面持ちでした。このとき「今日の応対次第で、向こう(モラ夫)に親権が渡ってしまったら……」と心配をしていました。母は家裁調査官とは初対面になるので、それも影響していたかもしれません。

家裁調査官とは

 家裁調査官(家庭裁判所調査官)は国家公務員で、採用試験や養成を経て家庭裁判所に配属される。裁判官は法務の専門家だが、家裁調査官は心理学・社会学などに精通している。

 親権争いの調査に際し、調査官は子供の自宅だけでなく、学校、幼稚園、保育園、非監護親の自宅等にも足を運ぶ。そこで子供(おおむね10歳以上)や先生などにも聞き取り調査を行う。私は公的機関にDV相談をしていたので(体験談)、相談先への立ち寄りをお願いして実現した。

 予定の時間の少し前に、家裁調査官(男性)は我が家のインターフォンを鳴らしました。調査官は一通りの挨拶を済ませ(息子には「後で遊ぼうね」と言った)、案内したダイニングテーブルの上にファイルや筆記用具を置きました。

 まずは私と母との面接です。もうひとりの子、小学生の長女が下校する前に、大人の話を済ませる手はずでした。といっても自宅で、保育園児がオモチャを手に割って入るので、まったく堅苦しいものではありません。家族・親戚の構成や年齢など基本情報の確認から始まりました。その後は、特に母が監護補助者として適格かどうかを確認する質問が多かったです。


 長女が帰ってくると、調査官の面接相手は娘に移りました。私はテーブルについたままでしたが、母は本格的に息子の相手を始めました。調査官は名乗った後に、自分の役割や我が家に来た理由などを娘に丁寧に説明。その後、学校はどうだとか、好きな食べ物はなにかとか、気軽な質問に移っていきました。「お父さん(モラ夫)と会いたい?」のような核心的な質問をしない、子供の生活状況を確認するだけということは、事前に私が調査官に確認したとおりでした。

私

 それはそうなんですが、私は冷や冷やしながら娘の隣に座っていました。モラ夫(子供たちにとっての毒父)が親権を希望していることを、私は子供たちに伝えていなかったんです。そんな怖がることを、わざわざ言う必要はないと思っていました。

 調査官は「お母さんもお父さんも、長女ちゃん・長男君と3人で住みたいと思っている」と、子供にも分かりやすい表現で長女に言ってくれやがりました。

 一見、問題ないどころか、両親共に愛情を持っているようにも取れるかもしれません。しかし、父親が親権・監護権を希望していることを恐怖に感じる子供は、本『DVにさらされる子どもたち――加害者としての親が家族機能に及ぼす影響』(レビュー)にも登場します。

 あるケースでは、父親が3歳の娘との面会中に親権を要求していることを話したため、娘はその後2年間、父親や見知らぬ人、あるいは怪物によって母親のもとから連れ去られる悪夢に苦しみ続けた。

 私が予想していたよりも踏み込んだ話をしていて、他にも私が娘には伏せていることが調査官の口から出てこないか、緊張しました。

 娘は調査官の言葉に感情的に反応することはなく、調査官が予定していた質問・回答はすべて終わりました。


 調査官は最後に息子に語りかけました。「長男君、それで遊ぼう」と。かくして、息子がずっと手にしていたすごろくをテーブルに広げ、その場の5人、調査官・息子・娘・母・私で楽しみました。ちなみに優勝は長男! 調査官の膝の上に座るなど、やりたい放題でした。

 調査官調査は楽しい雰囲気の中で終わり、調査官は笑顔で帰っていきました。


 その晩のこと。子供たちはぐずったり、私に甘えたりしました。久々にモラ夫(子供たちにとっては父親)のことを色濃く思い出したようでした。

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私の感想

 児童家庭支援センターで長いこと育児相談をしていた私からすると(体験談)、調査官調査は慎重さのレベルが低いように感じました。

 児童家庭支援センターの相談員が初めて子供に会ったときは、いっしょに遊んで様子を確認するだけでした。その後、私に子供の状況を確認しながら、少しずつ子供との信頼関係を構築して、家庭の問題に触れていきました。

 調査官調査では、そうした時間的な猶予はありません。決められた日時に所定の調査をこなすことが重要です。しかも子供の相手は、初対面の大人です。

 親の私への事前確認も形式的なものだけでした。そのための時間が確保されていたわけではなく、これより前に裁判所で行われた、私自身に対する調査官調査の中で触れられただけでした。

 制度自体は子供の意見を親の離婚に反映できて良いと思いますが、もうちょっと慎重に進められないものかと思いました。

 ちなみに、そんなことを頭のいい友人に愚痴ったら、海外では子供の虐待に関する聞き取り調査は1回だけ、と教えてくれました。子供を支援する組織同士が連携するそうです。

この頃に役立った本

 調査官調査について事前に長女に伝えると、「イヤだ。面倒くさい」とのこと。自宅での調査の後には、さらに家庭裁判所での調査官との1対1での面接調査も長女には控えています。「イヤ」と言おうが最終的には娘が対応するしかないのですが、私はどう納得させようか悩んでいました。

 そんなときに助けになったのが『こども六法』(レビュー)です。この本は一連の法律(六法)を取り上げていますが、その中の「民法」で家庭裁判所、離婚調停、親権などの説明がありました

 結局、娘は「納得」まではいかなかったかもしれませんが、知識を得て、調査官調査に臨みました。ある意味「予習」をしていたので、調査官に「家庭裁判所って知っている?」となどと聞かれて、がんばって答えていました。

 『こども六法』はいじめ問題も取り上げています。思春期くらいの子供とその親に人気の書籍です。ぜひお手元においてください

まとめ

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プロフィール

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 ある日、私は2人の子供を連れて、モラ夫から逃げて別居しました。私自身と子供を守るためです。

 私は年間100冊程度の本を読んでいます。好きなジャンルはファンタジーですが、多読しているのは実用書です。

 このサイトを訪れた方が、少しでも生活を改善したり、気持ちを前向きにしたりする情報を得られたら幸いです。

望木 幸恵

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