★★★★★ ベストセラー
筋トレの心身への効能が科学的見地からまとめられている。読み口は軽い。
レビュー
この本を読むと、(筋トレの方法ではなく)筋トレの効能が分かります。身体面よりも精神面のメリットを多く紹介しています。ざっくばらんな文体で人生を好転させるマインドや人生訓を伝授したり、共著者間の会話形式で科学的根拠を解説したり、実録漫画で人生好転エピソードを語ったりします。スポーツ医学的な専門用語も出てきますが、このような作りなので、簡単に読めて理解もしやすいです。
また科学的な裏付けがきちんとなされています。巻末にはびっしりと参考文献が記載されていて、好感と信頼感が持てます。2人いる著者のお一人、久保 孝史氏はスポーツ科学を専門としています。久保氏のセリフを1つ引用します。
筋トレはメンタルヘルスに悪影響を与える可能性が高い「焦燥感」「不安感」「慢性疼痛」「認知機能」「睡眠の質の低下」「自尊心の低下」などについてポジティブに働くという多くの研究があるんです。
もう一人の著者Testosterone氏が説くマインドの中で、私も実感していて一番好きなものは以下です(太字は原文ママ)。
悩みや心配は筋トレで返り討ちにする
悩むな。悩んで解決する問題などほとんどない。心配するな。心配ってのはまだ起きてもいない問題を頭の中で創り出しストレスを感じる無駄な行為だ。人間はじっとしていると悩みや心配が止められない生き物だ。悩みが心配が襲って来たら筋トレで返り討ちにしろ。筋トレすれば悩んだり心配したりする余裕など消える。

運動してゼーゼーハーハーしているときって、目の前の息苦しさに目がいき、モラ夫にされたアレコレをその瞬間だけでも忘れられました。
人が溺れている瞬間は、人間関係の悩みなどは吹き飛んでしまうのと同じですよね。
目次は次のとおりです。
- 第1章 「死にたくなったら筋トレ」が真実である理由
- 第2章 筋トレは最強のアンチエイジングである
- 第3章 モテたかったら筋トレしかない
- 第4章 仕事ができる人はなぜ筋トレをしているのか
- 第5章 ダイエッターこそ筋トレすべき本当の理由
- 第6章 長生きしたけりゃ筋トレをしなさい
- 第7章 筋トレに関する誤解と偏見を解消する
- 第8章 自信がない人は筋トレをしろ
第1章に、今で言うところの「教育虐待」を行う両親の元で成長した青年のエピソード漫画が登場します。学生時代は「自己肯定感をまったく感じられないような毎日を ただ過ごしていましたね…」と回顧しています。そこからの回復は、DV家庭で生活する人にとっては、ヒントになり得ます。よろしかったらご一読ください。
まとめ
科学的エビデンスや実録漫画を交えながら、筋トレが人生に及ぼす素晴らしい影響を解説。
★★★★★
- タイトル:超筋トレが最強のソリューションである――筋肉が人生を変える超科学的な理由
- 著者:Testosterone、久保 孝史
- 漫画:福島 モンタ
- 出版社:文響社
- 発行日:2018年5月2日
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