★★★★★ ロングセラー
長編児童文学のシリーズ第4巻。シングル家庭(母親と二人姉妹)の日常の暮らしが描かれる。父親や父方祖父母との面会交流のシーンも。
レビュー
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前段でモモちゃんとアカネちゃんの両親が離婚しました。この第4巻では二人姉妹と母親、黒猫のプー、双子の靴下タッタちゃん・タアタちゃんとの、その後の生活が描かれています。
このシリーズは猫も靴下もカエルもチョウチョだって話をするファンタジーな世界で物語が進行していくのですが、ところどころに離婚のような「大人の事情」も組み込まれています。第4巻では面会交流のシーンが登場します。姉妹と母親が、父方祖父母の家に泊りがけで訪問するとき、お留守番のプーが「大人の事情」を解説します。
「パパのパパのうちか。おもしろいな。ふつうはさ、パパとママがさようならをすると、パパのパパにもさようならして、つきあわないんだって。でも、うちのママは、ちがうんだなあ。パパのパパからも、おいでおいでっていってくるしさ」
このシリーズの主人公のモモちゃんとアカネちゃんは、作者の娘たちがモデルです。実際に両親の離婚を経験しています。ひとつの物語にファンタジックな場面も離婚のような現実的な場面も混在するのは不思議な感じ。しかし、幼い頃のモモちゃんとアカネちゃんの目線では両方とも真実だったのかも。

シングルマザーの私としては、この本を通じて、シングル家庭も家族形態のひとつとして普通に存在して、楽しく暮らしていけることが、我が子に自然に伝わるといいなと思っています。
我が娘もエンタメのひとつとして、ちょうど今、モモちゃんとアカネちゃんの話を読み進めているんです(私がこのレビューを書くにあたって、その辺に本を出しっぱなしにしていたところ、表紙の写真をきっかけに娘が手に取った)。
なおシリーズ第3巻『モモちゃんとアカネちゃん』もレビューを行っています。よろしかったご確認ください。両親の離婚が描かれています。
広く読まれているロングセラーの本ですが、特にシングル家庭の方におすすめいたします。ぜひ、ご一読を!
「モモちゃんとアカネちゃんの本」シリーズ
まとめ
モモちゃんとアカネちゃんの二人姉妹の成長譚。シリーズ第4巻。
★★★★★
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